毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

【飼育日記】桜についていた緑色のイモムシの飼育と観察!どんな成長するかな?

イモムシの飼育のバナー

飼育日記シリーズは身近でみつけた昆虫の成長を観察し、生き物に興味を持ってくれる人が増えることを期待しています!
大抵の昆虫は、調べると色んな情報が出てきますが、知識として持っているだけでなく実際に観察した記録を写真と一緒に紹介できればと思っています。

幼虫・イモムシとの出会い

桜の木で見られるイモムシの中で緑色のイモムシがいます。
よく見られるイモムシだと思うのですが、そんなに大きな特徴もありません。

よく見られるので、どんな成虫になるのか興味を持っている人も多いのではないでしょうか?
その有るきかたからシャクトリムシと呼ばれるシャクガ科の昆虫になるのではないかと思います。

たくさん見かけたので、今回は三匹連れて帰ってきました。
一匹の場合は、寄生されていたり死んでしまったりするとそこで観察日記も終了になってしまうのですが、三匹もいればきっと大丈夫でしょう!

餌にはもちろん桜の葉っぱですが、サクラはバラ科の植物なので、ミニバラなどでも飼育できるかもしれません。

緑色のキレイなイモムシでは有るのですが、ちょっと他の幼虫に比べるとインパクトがないのですが、それでもどんな成長を遂げるのか楽しみにしていきたいと思います。

イモムシの飼育の写真
緑色のイモムシ。葉っぱの裏に隠れるようにじっとしていました。
近くにも何匹か見つけましたし、二匹並んでいるものもいました。
イモムシの飼育の写真
緑色のキレイなシャクトリムシです。

シャクトリムシとは?

シャクトリムシとはシャクガ科の昆虫の幼虫で、漢字では「尺取虫」と書きます。
これは、まるで「尺」を取るように歩く姿からそのように呼ばれているんですね。
日本にはシャクガ科の昆虫は700種類とも言われていて、その種類の数だけ色んな幼虫がいます。
このシャクトリムシはどんな風に成長するのでしょうか?

飼育と観察記録

ここからは飼育と観察した記録になります。

5/4 緑色のシャクトリムシのおうち

イモムシの飼育の写真
5/4 プラスチックのケースにイモムシ三匹とサクラの葉っぱの切り口に湿らせたティッシュペーパーを巻いたものを入れたおうちです。

5/5 緑色のシャクトリムシ!いきなりピンチ!?

冒頭で3匹もいたらきっと大丈夫と書いたばかりなのですが、いきないおかしな雰囲気になっていました・・・。

我が家に来て数日経っているのですが、よくよく見ているとおかしなことに・・・。

イモムシの飼育の写真
5/5 黒い粒がついています。これは寄生されているのでは?
イモムシの飼育の写真
5/5 こっちの子も黒いものと、色がくすんできています。
イモムシの飼育の写真
5/5 この個体だけはきれいな緑色をシているのですが、一番前の脚が傷ついているようです。これもまさか寄生だったりするのでしょうか?
早くも全滅の可能性が・・・。
イモムシの飼育の写真
5/5 顔はとても可愛いイモムシです。無事に育つでしょうか?

5/6 あんまり調子はよくなさそう・・・

イモムシの飼育の写真
5/6 黒い部分が広がっているようです・・・。可愛く撮ってみましたがちょっと痛々しいですね。

5/7 消えた幼虫と寄生していた幼虫!?

イモムシの飼育の写真
5/7 最後の幼虫が急に消えてしまいました。飼育していると、小さなプラスチックケースの中の世界なのにどこに行ったかわからなくなってびっくりすることがあります。
今回は湿らせたティッシュの中に潜んでいました。これはよく見ると糸を編んでいるようです。土中で繭になるタイプだったのでしょうか?
しかし、このあと弱ってきているのでもうダメなようです・・・。

寄生していたウジ型の幼虫の写真が出てきます。

自然のことなので仕方もないのですが、画像が苦手な人が見るかもしれないので心の準備をするためにすこし空間をとっています。
寄生していた幼虫を見るのは怖いという方はここで終わりにするか、勢いよく飛ばしてみてください。

イモムシの飼育の写真
5/7 寄生されていた幼虫から出てきました。
イモムシの飼育の写真
5/7 寄生していた幼虫が出てきた残り。穴が空いているのでそこから這い出てきたようです。
イモムシの飼育の写真
12時間後くらいに見ると蛹になっていました。
抜け殻のようなものはなく、体の表面を固くしてサナギになるようです。

寄生したハエの繭が成虫になりました。
18日のことだったので、10日ほどで成虫が出てくるようです。
よく見かけそうなハエなので種類を調べるのは難しいかもしれません・・・。

寄生ハエの写真
寄生バエ
寄生ハエの写真
寄生バエ

ここからは大丈夫です。

5/8 新しい出会い

外でたくさん見かけた幼虫も見つからなくなりました。成長したのか、我が家の幼虫と同じように病気になったり寄生されたりして数を減らすのでしょう。
しかし、外で撮影していてふと違和感を感じて肩を見ると、この幼虫が乗っていたんですね。

外で見ても同じ種類の幼虫かはちょっとわからなかったのですが、かえって写真を撮って比べてみると同じ種類だと思います。
これは不思議な縁だと思い、4匹目のイモムシが増えました!
この子がダメだったらこの飼育の企画は終了になります。

イモムシの飼育の写真
5/8 さて、この個は元気に育ってくれるでしょうか?

5/11 寄生されているようです

数日前にはなかった黒い部分。
なんだか穴も空いていて痛々しいです。
前に寄生されていた幼虫と同じ状態になってしましました。

ウスバフユシャクの写真
5/11 8日の写真ではなかった黒い部分が痛々しいですね。

5/13 イモムシは死亡して寄生虫は元気いっぱい

ウスバフユシャクの写真
5/13 数日経つと死んでしまいました。左の方の黄色い部分に寄生虫が入っています

まとめと感想

残念ながらサナギにまで成長する幼虫はおらずに、4匹全部が死んでしまう結果となってしまいました。
この幼虫はちょっと寄生率も高かったようにも思いますが、自然の中で生き残っていくのは難しいのが伝わってきますね。
ちなみにイモムシたちが大人になれるのは数%程度と言われているので、90%以上は病気や寄生、捕食者に襲われて命を落とします。
しかし、それが生態系の中で大切な循環を生み出しているので、色々と考えさせられますね。

今回の飼育は思った結果にはなりませんでしたが、それでもムシミルでは昆虫の「面白い」を届けていきます!
これからも、ムシミルをよろしくお願いします!

昆虫の飼育まとめ!生き物と触れ合う楽しさ

他の昆虫の飼育もこちらで紹介しています!

関連記事(一部広告含む)

この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
TwitterInstagramもやっているのでフォローや応援してもらえたら嬉しいです(^^)