毎月昆虫に出会える!「月刊ムシミル」

カブトムシ

カブトムシのツノ写真

写真ギャラリー

樹液にやってきたカブトムシ。奥に見えるのは樹液にやってきたサトキマダラヒカゲ(大阪)

樹液にやってきたたくさんの昆虫。カブトムシのメスも3匹(大阪)

カブトムシのオス♂

胸のツノの折れたカブトムシのオス♂(大阪)

カブトムシのメス♀(大阪)

カブトムシの迫力!!(大阪)

横から見ると、大きなツノと小さなツノがわかります(大阪)

カブトムシのオス(大阪)

樹液を独占しているかと思ったらたくさんのアリさんと一緒だった(大阪)

昼間には落ち葉の下に隠れている(大阪)

黒い体は見つかりにくい!?(大阪)

仲良くお食事。と思ったら次の瞬間にはハナムグリは追い払われてました(大阪)

うろうろ初めたので眠たいのかもしれない(大阪)

立派なツノはアーティスティックだ(大阪)

カブトムシの仲間(コガネムシ科)まとめ 兜虫図鑑

カブトムシの特徴

カブトムシは日本の昆虫の中でも大きな甲虫(コウチュウ)で人気があります。
ヤンバルテナガコガネが発見されるまでは日本で一番大きなコウチュウでした!
しかし、ツノを含めた大きさではヤンバルテナガコガネも抜いて大きなコウチュウです。

特徴的で大きな角(ツノ)

カブトムシといえばオスの立派なツノが特徴です!
体長によって大きなツノのカブトムシから小さなツノのカブトムシまでいるのですが、ツノの大きさは力の大きさ
体が大きくツノも大きいほうがケンカも強いのでメスからもモテます。

この大きなツノは、昔の鎧兜を連想したことから名前の由来にもなっています。

海外にもたくさんの種類のカブトムシがいます。
もっと大きかったりツノの数も多かったりしますが、こんな兜のような角を持ったカブトムシは世界中を探しても珍しく、日本の昆虫という感じがします。この見慣れたカブトムシは実はすごいのですよ!

カブトムシの写真
カブトムシのオス♂

カブトムシの成虫 オスとメスの違い

カブトムシの写真
カブトムシのオス♂
その大きなツノが特徴的ですが、個体差があってツノの大きなものから小さなものまでいます。
カブトムシのメスの写真
カブトムシのメス♀
ツノはないので大きなコガネムシといった印象です。しかし、大きいので他の昆虫と間違えることはないと思います。実は全体に微毛が生えていて触るとふわっとしています。

力持ちの昆虫

カブトムシは力持ちの昆虫としても有名ですね!自分の体重の何倍から何十倍のものを運ぶ力があると言われています!正確な測定テストがあるわけではないのですが、それでもカブトムシがツノを使って、ケンカで相手をふっとばすときの力はすごいものがあると思います!

カブトムシを見つけても、木の幹にしっかりと捕まっていたら簡単に取れないですよね?
しかし、カブトムシのケンカでは相手の体にツノを潜り込ませると、木の幹からひっぺがしてふっ飛ばしてしまうパワーがあります。

カブトムシの写真
とても凛々しいカブトムシのオス。
カブトムシのpスの写真
カブトムシのオス♂
戦いに負けたのか、胸の上にあるツノが折れてしまっていました。

カブトムシの生態

カブトムシの餌(エサ)や食べ物は?

カブトムシの幼虫は土の中で腐葉土などを食べています。
成虫になると食性が変わり、木の幹から出てくる樹液に集まるようになります。

樹液はクワガタムシやカナブンなどの昆虫も大好きなので、人気のスポットではいろんな昆虫が見つかります。
こうやってたくさんの昆虫が樹液を求めてやってくる場所のことを「樹液酒場」って呼んだりもしますよ!

樹液に集まるカブトムシなどの昆虫

カブトムシのメスの写真
カブトムシやシラホシハナムグリやカナブンが樹液に集まっています。この幹では根元の方が人気のスポットになっていました。集まっていたカブトムシは全てメスで、この写真の中には3匹います。

夜行性の昆虫

基本は夜行性で夜の間に活発に活動します。
昼間に活動しているものも見かけますが、物陰や落ち葉の下に隠れたりもしています。
メスだと産卵の時期には栄養をたっぷり取らないと卵を埋めないので昼間もご飯を食べることが増えるようです。

日が暮れると、隠れていたカブトムシが樹液の匂いに誘われて、どこからともなく飛んでやってきます。

落ち葉の下に隠れるカブトムシ

カブトムシの写真
カブトムシは一般に夜行性で夕方から夜に活動的です。写真は昼間に見つけたカブトムシでしたが、木から降りてどこへ行くのかと思ったら落ち葉の下に潜り込んでいきました。日中はこのようなところで休んだりしているのですね。

カブトムシの成長(卵・幼虫・サナギ・羽化)

カブトムシは幼虫から成虫になるのにサナギの状態があり、姿が大きく変わる完全変態の昆虫です。

カブトムシの卵(10日~2週間)

メスは3mmほどの乳白色の卵を土の中にバラバラに産卵します。まとめて卵を産むタイプではないですね。
丸っこい卵ですが、産みたては楕円形です。
飼育してたマット(土)をひっくり返すと、その中に卵が産まれていることがありますが、コガネムシの仲間の中では卵も大きい方なので見つけやすいと思います。

カブトムシの卵の写真
右が産みたての楕円形の卵。時間が経つと、左の卵のように丸っこくなります。

カブトムシの幼虫(次のシーズンの春~夏前まで)

腐葉土などを食べて1年かけて育っていきます。エサをたくさん食べると10cmを超えるサイズにもなるので大きな幼虫です。
土の中で生活していることもあり目は退化していますが、大顎(おおあご)を鳴らした摩擦音で他の仲間等との接触を避けているようです。

カブトムシに限りませんが、葉っぱなどは分解されて土に返っていきます。土の中には微生物やバクテリアなどがたくさん暮らしているからです。
雑菌などもたくさんいる中で、健康的に大きくなっていけるのには何か秘密があるのでしょうね!
特別な抵抗できる免疫などがあるのではないかとの研究もされているようです。

カブトムシの幼虫の写真
孵化(ふか)したばかりの幼虫。
カブトムシの幼虫の写真
成長したカブトムシの幼虫。とても大きな幼虫です!

カブトムシの蛹サナギ(約3週間)

オスは、サナギになった状態で立派な角が生えています。
ですから、サナギの状態でもオスメスの違いは一目瞭然です。

カブトムシの飼育の写真
カブトムシの蛹(サナギ)メス♀

カブトムシの羽化

羽化したてのカブトムシはまだ黒くなっていません。
時間をかけて黒く、硬い羽になっていきます。

羽化してもすぐには活動を始めずに、10日ほどは土の中でじっとしています。

カブトムシの飼育の写真
カブトムシのオス♂の羽化。
カブトムシの飼育の写真
羽がオレンジ色をしています。

カブトムシ成虫の寿命

成虫は自然界では大体1~2ヶ月ほどの寿命と考えられています。
飼育下などで、環境が良いいと3ヶ月程生きることもあります。

捕まえ方や見つけるコツ

カブトムシは夏に樹液の出る木に集まってきます。昼間に見つかることもありますが、基本は夜行性で夕方や朝方の方が活発です。その時間帯に探しに行ったほうが見つかりやすいです。樹液はコナラやクヌギなどの広葉樹から出てくるものが好まれますので、そういった木がある場所を明るいうちに見つけておくと良いでしょう。

こちらの記事でもっと詳しく紹介しています。
カブトムシを捕まえるコツ!服装と装備の注意点!

カブトムシのトラップ

トラップを使って捕まえる方法もあります。ポイントは甘くて香りの強いものにカブトムシは寄ってきます。
仕掛ける罠に入れておけば寄ってくるという寸法です。

一例ですが、バナナを使う一般的な方法を紹介します。
バナナをストッキングやケースに入れてカブトムシがいそうな場所に設置しておくだけでも寄ってくることがあります。
効果を高めるには、バナナに焼酎やカルピス、ドライイーストなどをつかってカブトムシが好む香りを強く出したり発酵を促したりします。

注意点としては、仕掛けた罠は必ず回収することです。放ったらかしにしておくのはマナー違反ですし、普通にゴミを捨てているのと変わりません。せっかくのカブトムシのいる環境を大事にしたいですね。

カブトムシを探すときの注意点

自然が相手ですので、蚊に刺されたり毒を持った生き物もいるので軽装で行くのは避けましょう。

樹液を出そうと思って、木の樹皮を意図的に傷つけたり根本を掘り返したりする人がいるようです。もとに戻せないようなことをするのは、せっかくの環境を破壊する行為ですのでしっかりと考えて行動してほしいと思います。

飼育に挑戦してみよう!

子供の夏の思い出にカブトムシの飼育はよく聞くものです。私もカブトムシの飼育は何度も経験しました。角(ツノ)を含めたサイズでは日本の昆虫の中で一番大きくカッコよいので憧れのようなものがあります。それは大人になっても変わらないのですね。
子供を連れて昆虫採集をしている親子をよく見かけますが、大人だって自然と触れ合いながらカブトムシを見つけたら嬉しいのです。

飼育してみよう

よく飼われている昆虫なので飼育の仕方の情報もたくさんありますし、実際に飼育は簡単な方です。

成虫の飼育

必要なものは、カブトムシ・飼育ケース・土(腐葉土)・足場(木)・昆虫ゼリーがあればじゅうぶんです。

飼育ケースの下に土を引いて、後は足場と餌場を作って、カブトムシさんを入れてあげればお家の完成です!オスを複数入れると喧嘩が始まり、バトルも楽しいしカブトムシの凄さもわかるのですが、やりすぎると弱ったり早く死んでしまったりするので注意しましょう。

幼虫の飼育

幼虫は適度な湿り気のあるマット(土)に入れておくだけで育ってくれます。幼虫が沢山いる場合は土を食べ尽くしてしまう場合があるので注意しましょう。

専門店やホームセンターで飼育用に作られた「マット」と呼ばれる土が販売されています。

もっと詳しく飼育方法が知りたかったらこちらから
カブトムシの飼育方法/育て方!子供と一緒に観察しよう!

実際に飼育している様子を観察した記録はこちら
カブトムシの飼育と観察!我が家にカブトムシの幼虫がやってきた!

カブトムシ特集はこちら!

カブトムシの仲間(コガネムシ科)まとめ 兜虫図鑑

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カブトムシのことがもっと知りたかったらこちらから
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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
詳細なプロフィールはこちらのページで御覧ください。
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