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リュウキュウムラサキ

リュウキュウムラサキの写真

写真ギャラリー

じっと休んでいる。(石垣島)

羽の地色は濃い褐色で白い紋や帯が入っている。(石垣島)

リュウキュウムラサキ(石垣島)

リュウキュウムラサキってどんな蝶?

オスとメスで異なる青紫の模様

一般的なリュウキュウムラサキですと、オスもメスも共にムラサキ色をした美しい模様が入っているのが特徴ですが、その模様はオスとメスで異なっています。オスは4枚の羽の真ん中くらいにムラサキの模様が入っていますが、メスは前羽の先の方にだけ紫色の模様が入っています。(そのようなタイプをフィリピン型と呼びます)。

次で説明しますが、青紫色の入ってこないタイプのメスも存在します。

台湾で撮影したリュウキュウムラサキの♂の写真

台湾リュウキュウムラサキ
水場に給水にやってきた♂。羽の模様はそんなに紫には見えないですね。
台湾リュウキュウムラサキ
はっきりと青紫の模様が見えています。上の写真と同じ個体ですが、見る角度で見え方の変わる美しい模様を持っています。

台湾リュウキュウムラサキ
この写真も同じ個体ですが、真上から見てもそんなに青紫は目立っていませんね。

地理的変異が大きい種類の蝶

オストメスでも雰囲気の違うリュウキュウムラサキですが、メスは更に地理的変異が大きい種類なのです。国内では4型にも分かれて確認されており「台湾型」「フィリピン型」「パラオ型」「大陸型」で、それぞれ特徴が大きく異なるのでうっかりしていると別のチョウと勘違いしてしまいます。

台湾型

前羽中央より少し羽の先の方に出てくる、斜めに入った白い帯の発達はそんなによくないので、小さく不鮮明な白色の班列になります。

フィリピン型

台湾型と違い、前羽に見られる斜めに入った白い帯は鮮明に見ることができる。白い班の周りに青紫が入っているのが美しいです。

パラオ型

前羽の内側に赤い斑紋が入ってくるのが特徴的です。後ろの羽の中央付近にも大きく白いもんが入っているので、方の違いの中では一番印象が違っています。

大陸型

前の羽には白い斑紋が小さく並んで入っているだけですが、後ろの羽の外側には太くて白い帯が入っています。

迷チョウ?

リュウキュウムラサキも迷チョウとされて来たのですが、南西諸島の南部の方では定着しているようです。台湾などから長い距離をよく飛んでくるということもあるのでしょうが、年によっては九州から、四国、本州でも確認することができ、北海道で確認されたことまであるそうです。

そうは言っても、まだ日本全体で定着しているわけではないので、あくまで南西諸島の生息地にしています。

迷チョウとは

国外から季節風や台風などで飛ばされてきたチョウで国内には根付いていないチョウのことです。迷ってきたチョウだから「迷チョウ」ですね!

幼虫の食べ物や餌(エサ)

サツマイモやヨウサイなどヒルガオ科の植物をよく食べます。サツマイモってヒルガオ科の植物だったのですね。ツルノゲイトウと呼ばれるヒユ科の植物を食べることも知られています。

余談ですが、蝶や蛾の幼虫が「イモムシ」と呼ばれるのは、もともとイモ類についている幼虫のことをイモムシと呼んだのが由来と言われています。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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