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ツマグロヒョウモン

写真ギャラリー

ツマグロヒョウモンのメス♀

花によくやってくる

じっと休んでいる。ヒョウ柄が特徴的

若齢幼虫

少し育った幼虫

大きくなった幼虫

スミレ科の植物が食草です

黒と赤色のパンキッシュなデザイン(奈良)

トゲトゲが凄いですが、チョウの幼虫です(奈良)

羽の後ろ側の黒帯が目立つのが特徴

前蛹(ぜんよう)

サナギになったばかりは赤い!?

サナギには金属光沢を持つ突起があります

メス♀、羽の先が黒くなったツマグロ模様

メス♀、羽の裏も黒い模様がわる

メス♀、ぶら下がって休んでいる

オス♂、切り株の上にとまっている

オス♂、凛々しいたたずまい

メス♀、表の白い模様が裏からでもわかる

メス♀、羽を広げると迫力がある

メス♀、美しいデザイン

メス♀、ひょっこりと顔

メス♀

羽化した手乗りチョウチョ

コスモスとツマグロヒョウモン(大阪)

コスモスとツマグロヒョウモン(大阪)

タテハチョウ科まとめ 蝶の図鑑

ツマグロヒョウモンってどんな蝶々?

ヒョウ柄の派手な蝶ですが、この仲間の中では一番身近に見られる種類です。
食草となるスミレ科の植物も、身の回りに沢山育っています。

ツマグロヒョウモンの写真
パンジーにやってきたツマグロヒョウモンのメス♀

タテハチョウ科の仲間

ツマグロヒョウモンはチョウ目のタテハチョウ科の昆虫です。その中でもヒョウ柄が特徴的なヒョウモンチョウと呼ばれる仲間の一種です。タテハチョウの仲間は日本でも種類が多く、マダラチョウの仲間やジャノメチョウの仲間も含まれています。余談ですが、国蝶としても有名なオオムラサキもタテハチョウの仲間ですね!

ツマグロヒョウモンの特徴

豹柄(ひょうがら)のチョウチョ

オレンジに黒い紋の入るヒョウ柄のチョウチョです。ヒョウモンチョウの中でもツマグロヒョウモンは特によく見られます。
日中から活発に飛び回り、花にやってきます。

成虫

ツマグロヒョウモン
見事なヒョウ柄のツマグロヒョウモンです。タテハチョウの仲間の多くは前脚が退化しています。ひっこんでいるだけなのでよくみると使っていない前脚もあるのですが、昆虫は6本あるはずの脚が4本にしか見えないですね。
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀:顔
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀:前と後ろの羽が重なっっている
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀:羽がずれるとオレンジ色の模様が目立つ
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀:ななめから
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀:上から

幼虫

ツマグロヒョウモンの写真
幼虫の顔
ツマグロヒョウモンの写真
横から
ツマグロヒョウモンの写真
上から

オスとメスの違いは「ツマグロ(褄黒)模様」

メスは羽の表側は先の方が黒色と白色の帯になっています。羽の先が黒くなっているのでツマグロと名付けられました。
オスはツマグロになっていないのですが、オスメスともに羽を閉じたときの模様が特徴的です。

メス♀

ツマグロヒョウモンの写真
ツマグロヒョウモンのメス♀
羽の先が黒くなった褄黒模様。

オス♂

ツマグロヒョウモンの写真
ツマグロヒョウモンのオス♂
全体がオレンジ色のヒョウ柄で、羽の先が黒くなっていません。

生態(擬態・食べ物)

「ツマグロヒョウモンのメス」は「カバマダラ」に擬態している?

ツマグロヒョウモンのメスは「カバマダラ」に擬態していると言われています。
カバマダラは体の中に毒を持っており、捕食する天敵が嫌がるのです。そのカバマダラに姿を似せることで身を守っていると言われています。

生息環境が一部しか重ならないことや、オス♂は擬態しなくて良かったのか?
など、気になる点もありますが見比べてみましょう。

ツマグロヒョウモンの写真
ツマグロヒョウモンのメス♀
写真を見比べてみると似ている気がします。
カバマダラの写真
カバマダラは体内に毒を持っています。

食草(食べ物や餌(エサ))

ツマグロヒョウモンの幼虫はスミレ科の植物を食べるので、園芸用のパンジーなどでもたまに見つけられます。
大きな花壇などでも農薬などあまりまかれてなければ見ることができると思います。

ツマグロヒョウモンの写真
パンジーの葉っぱを食べている幼虫。

成虫は他のチョウと同じように色んな花にやってきてミツを吸います。

ツマグロヒョウモン
花のミツを吸う成虫。

成長(幼虫・サナギ・成虫)

幼虫

ツマグロヒョウモンの幼虫は赤黒のトゲトゲイモムシです。
黒い体に赤い模様が特徴的で、かなり激しいトゲトゲがついているのでとても派手な印象です。

ツマグロヒョウモンの幼虫
ツマグロヒョウモンの幼虫
ツマグロヒョウモンの写真
若齢幼虫。トゲも小さく、背中の模様も白っぽいですね。
ツマグロヒョウモンの写真
成長してトゲが大きくなり、背中の赤色も強くなってきました。
ツマグロヒョウモンの幼虫
ツマグロヒョウモンの幼虫
ツマグロヒョウモンの写真
パンジーにつく幼虫
ツマグロヒョウモンの写真
幼虫のフン(うんち)

前蛹(ぜんよう)

成長するとサナギになる準備をします。
ツマグロヒョウモンなどを含むタテハチョウの仲間はぶら下がってサナギになります。
このタイプを「垂蛹型(すいようがた)」と言って、アゲハチョウやモンシロチョウなどのサナギとは雰囲気が異なります。

ツマグロヒョウモンの前蛹の写真
ツマグロヒョウモンの前蛹を見つけました。
この後しばらくして戻ってみてみると無事にサナギになっていました。

蛹(さなぎ)- まるで宝石

茶色いサナギですが突起がついており、その部分がメタリックに光っています。
まるで宝石がついているように見えて不思議なデザインのサナギです。

ツマグロヒョウモンのサナギの写真
蛹(サナギ)になったばかりのツマグロヒョウモン。
ツマグロヒョウモンの写真
ツマグロヒョウモンのサナギには金属光沢のある突起がついています。
ツマグロヒョウモンの写真
金属光沢を持った突起。周りの景色が映り込むような鏡面仕様です。
ツマグロヒョウモンの写真
羽化して残ったサナギの抜け殻。

おまけ

ツマグロヒョウモンの写真
羽化した時に不必要な体液を排泄したもの。
赤いんですね。
ツマグロヒョウモンの写真
おまけ。サナギになったときの最後の幼虫の脱皮殻。

成虫

ツマグロヒョウモンの写真
メス♀
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀
ツマグロヒョウモンの写真
メス♀
ツマグロヒョウモンの写真
オス♂

飼育観察してみよう!

ツマグロヒョウモンの幼虫はスミレ科の植物であるパンジーなどを与えて育てることができます。
ですから、オススメはパンジーの苗などを買ってきて食草にする方法です。

気をつけたいのは苗で買ってくる場合は農薬などの薬が付着していないかです。
買ってきてすぐに与えるのではなく、水やりで洗い流しながら、少し時間が経ってからの方が安心感が高まると思います。
一番安全なのは種から育てることですけどね。

苗がすっぽりと入るくらいのケースに入れておけば脱走の心配もありません。
小さなケースしかない場合は、縦向きに置いて使う方法もあります。

注意点として、大きく育った幼虫はとてもよく食べるんです。
特に幼虫が数匹いる場合は、パンジーの苗の葉っぱくらいすぐに食べ尽くしてしまうので、いくつか買っておいて交代で使ったほうが良いですね。

ツマグロヒョウモンのケースの写真
フタをすれば逃げません。
ツマグロヒョウモンのケースの写真
小さなケースも縦向きにすると使えます。

分布や生息環境

本州から南西諸島まで広い範囲で見ることができます。

都会でも見られる

園芸用やベランダで育てているパンジーなどで育っていることもありますし、公園などでもよく見られるので比較的都会や街なかでも見ることができます。パンジーなどについていると、可愛らしい花にとてもいかつい幼虫がついているので驚くことがあります。

道路脇のツマグロヒョウモンを撮影した一枚

スマホ ツマグロヒョウモン
スマホで撮影したツマグロヒョウモン。都会の道路脇の緑の中にポツンと止まっていました。近くを車などが通っても落ち着いたものです。

道路脇の植物にとまっていたツマグロヒョウモン。買い物途中にたまたま見つけて持っていたスマホで撮影しました。こんな風に街なかでも見ることができます。

ツマグロヒョウモンの仲間をもっと見る!

タテハチョウ科まとめ 蝶の図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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