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ハグロハバチの飼育!ギシギシで見つかる派手なイモムシの正体は?

ハグロハバチの飼育バナー画像

公園などでよく見かける「ギシギシ」や「スイバ」に小さく可愛いイモムシがついていることがあります。
その幼虫は緑と黄色のカラフルな配色に黒色のドット柄をまとったファンシーな出で立ちをしているので、知ってる人は知っているイモムシだったりします。

イモムシと言えば、チョウや蛾の幼虫と思うかもしれませんが、実はこの幼虫はハチの仲間です。
ミツバチやスズメバチなどが居るように、ハチノ仲間の中で「ハバチ」と呼ばれる仲間がいるんですね。

ちなみに、ギシギシやスイバはタデ科の植物で、他にもチョウの仲間ではベニシジミが見つかる植物です。
ハムシの仲間ではイチゴハムシやコガタルリハムシなども見つかります。

春から、植物の成長とともに色んな昆虫がやってくるのを見ていましたが、あるとき突然に虫食いの跡が目立ってきます。
5月に入った頃になるとこのハグロハバチの幼虫がたくさん見られるようになっているんですね!

ムシミルで紹介するこのブログでは、その飼育の様子や、経過を観察したものをお見せします!

ハグロハバチの一生

先に、ハグロハバチの生態について簡単に紹介しておきます。
ハグロハバチはハチ目(膜翅目)の「ハバチ科」というグループの中の一種です。
幼虫はギシギシが食草で、その葉っぱを餌(エサ)として食べて育ちます。

完全変態の昆虫で「卵」「幼虫」「サナギ」「成虫」と成長していきます。
蛹の期間が入ることで、その姿はイモムシの状態から羽を持った成虫へと大きく姿を変えることが特徴的です。

5月頃から幼虫が見られるようになり、成長はとても早く一ヶ月も経たないうちに成虫になります。
大人になったハグロハバチはオスとメスが出会って卵を産みます。成長も早いので、年に数回発生するようです。
寒くなってくると、すぐには成虫にはならず、土の中で蛹(サナギ)の状態で冬を越します。
そして、暖かくなると地上に出てくるんですね。

幼虫のデザインが特徴的で、きれいなミントブルーとイエローの体に黒いドットが入ったファンシーな姿をしているので、イモムシ好きの人の間では有名な幼虫ではないかと思います。
じっとしている時には丸まった状態でいるのも特徴的です。
ハバチの仲間の幼虫は単眼が左右に一つずつ。まるで、漫画で書いたような顔をしているのも可愛いです。

ハグロハバチの育て方

飼育ケース

小さ容器で充分です。
ハグロハバチの飼育にはお惣菜などを小分けにするフタ付きのプラスチックケースを利用しました。
薄いプラスチックケースで、フタには空気穴をいくつか開けています。
酸素をいれたいというよりは、湿度が高くなりすぎないようにあけています。

ハグロハバチの飼育の写真
フタ付きのプラスチックケース。

食べ物や餌(エサ)の探し方

タデ科植物のギシギシやスイバを与えるとモリモリ食べてくれます。
都会の公園でも生えているところには生えている雑草なのでよく探してみましょう。

ベニシジミが産卵場所を探しているのをみかけたら、その周りにはギシギシやスイバが育っていることが多いです。

ギシギシの写真

ギシギシの写真
まだ小さなギシギシ。
ギシギシの写真
高く伸びて、新しく出てきたギシギシの葉。
ギシギシの写真
高く伸びて、その先はこのようになります。この部分で花が咲きます。

飼育と観察記録

ではここから飼育と観察の記録です!

5/6 ハグロハバチのイモムシを発見!

草むらにしゃがんで昆虫を探していると葉っぱの裏に止まっているイモムシを発見!
少し大きくなった幼虫で、ドットの模様とギシギシについている点でハグロハバチの幼虫とわかりました。

ハグロハバチの写真
5/6 ハグロハバチの幼虫。

小さなプラケースで飼育と観察を開始

ハグロハバチの飼育の写真
5/6 連れて帰ってきた幼虫。目の周りが黒くなっていて不思議な感じです。
ハグロハバチの飼育の写真
5/6 新しい葉っぱと幼虫を入れて小さなプラスチックのケース。飼育ケースはこんな感じで問題ないと思います。
穴を開けたフタも準備していますよ!

5/8 とても良く食べる幼虫の食欲

ハグロハバチの飼育の写真
5/8 2日ほど経ったら葉っぱはほとんどなくなっていました。体はかなり小さいのに、かなり食欲旺盛です。
ハグロハバチの飼育の写真
5/8 くるりと丸まって休んでいるハグロハバチのイモムシ。
ハグロハバチの飼育の写真
5/8 面白い格好で休むんですね。

緑と黄色の体。黒いドットの模様。
ヘビのように、とぐろを巻いているようにも見えますが頭を下にしているのが大きく違う点ですね。
頭を下にするのは守っているのでしょうか?

そして、お尻の先は黄色くなっています。
これも、天敵などが攻撃してきたときに、頭とお尻を勘違いさせる働きがあるのではないかと思います。
そうやって見てみると、目の周りも黒くなっているのは、体のドット模様に続いているように見せて、頭部と思わせないようにしているのかもれません。

ハグロハバチの飼育の写真
5/8 葉っぱをモリモリと食べるハグロハバチの幼虫。2日前と比べると、目の周りの黒い模様がスッキリとしています。

5/11 蛹になる準備!色が濃くなった!

ハグロハバチの飼育の写真
5/11 脱皮した皮が残っています。イモムシ時代の最後の脱皮した皮は食べないようです。
ハグロハバチの飼育の写真
5/11 抜け殻(皮)をアップで見るとちゃんと顔があるのが面白いです。
ハグロハバチの飼育の写真
5/11 顔の色が茶色くなっているのがわかります、お目々がくりくりしていて相変わらずの可愛さです。
ハグロハバチの飼育の写真
5/11 全体に色が濃くなって、爽やかなドット模様だったのが、すこしダークな雰囲気に変わりました。この状態になったら、次は蛹(サナギ)になります。

5/13 土がないのでティッシュに潜る

ハグロハバチの飼育の写真
5/13 ハグロハバチは、成長すると土に潜ってサナギになります。しかし、プラケースの中には土を入れていないのです。土に潜ってしまうと観察できなくなるのでどーしようかと思っていたら、ティッシュに潜り始めました。中を掘り進んだクズが散らかるようになっています。

5/22 土に潜らせたハグロハバチ

ティッシュに潜ったほうを観察していたのですが、たまに様子を見てもなかなか蛹になりません。
おかしいと思っていたら、寄生されていたようで、そのままお亡くなりに・・・

そこで、もう一匹を土に入った状態で観察していたものを紹介します!

ハグロハバチの飼育
5/22 土に穴を開けておいておいたら、その中に潜ってサナギになりました。
最初は穴に潜ったと思ったら半分だけ出てきて、まるでチンアナゴみたいな状態で動かなくなったので、死んでしまったかと思っていたのですが、死んだと思っても諦めないという教訓があったのでしばらく待っていました。
気がついたらこんな風に、土の中にサナギの状態で入ってましたね。
ハグロハバチの飼育の写真
寄生して出てきた幼虫。ガの幼虫に寄生していたものとは違った雰囲気の幼虫です。

サナギの色の変化を別の個体で

今回飼育したものとは別の個体ですが、蛹の様子がよくわかるので紹介します。

ハグロハバチの飼育の写真
サナギになりたてのときは、黄色から緑色をしています。幼虫のときの配色を思い出しますね。
ハグロハバチの飼育の写真
透け感もあって綺麗なサナギです。
ハグロハバチの飼育の写真
羽化が近づいてくると、上半身から色づいていきます。
ハグロハバチの飼育の写真
時間が経つと、腹部を含めて全体が黒いサナギになります。

5/25 サナギの色が黒くなりました

ハグロハバチの飼育の写真
5/25 色が黒くなってきて羽化直前だったので、ちょっと土をどけてみました。

5/26 羽化しました

ハグロハバチの飼育の写真
5/26 羽化しましたが、最後の最後に抜けきれてないようです。
ハグロハバチの飼育の写真
5/26 歩くことはできますが、あまり安定していません。
ハグロハバチの飼育の写真
5/26 脱皮の皮が引っかかって羽も伸び切ってないようです。

綺麗に羽化できたハグロハバチ

今回飼育したものではないですが、羽化がうまく言ったハグロハバチです。

ハグロハバチの飼育の写真
羽化したてのときには羽は透き通った色です。
ハグロハバチの飼育の写真
時間が経つと、名前のとおりに羽は真っ黒になります。

まとめと感想(飼育が終わったら追記します)

ファンシーな幼虫が動いているのはとても可愛いので見ていて癒やされました。
成長が早いので生き物の観察にも良いですね!

ハバチの幼虫で寄生されていたのは初めてだったのでショックもありましたが、飼育するたびに新しい発見があるのは面白いです。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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