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クチバスズメってどんな虫?
スズメガの仲間の中でも一際大きな種類になります。
明かりに集まる習性を持ち、灯火やライトトラップでもよく見られます。
幼虫には個性が詰まっていて、三角形の頭部や、ブナ科を食べる食性はスズメガの中では珍しいものです。
スズメガ科
昆虫の分類でチョウ目があり、一般的な蝶(チョウ)や蛾(ガ)の仲間が含まれます。
このサイトでは一般に蛾と呼ばれるものを「ガ類」としているのですが、クチバスズメは「ガ類」の中の「スズメガ科」に含まれる一種になります。
スズメガ科にはブドウスズメやベニスズメ、オオスカシバなど大型の仲間がたくさんいます。
クチバスズメの特徴
淡い褐色をした羽を持つスズメガの仲間で、クチバスズメはその中でも大型の部類に入ります。
細い褐色の線が何本も入っているのですが、これが枯れ葉のように見えて「クチバ(朽葉)」と名付けられているのでしょう。
似た種類には「モモスズメ」や「ヒメクチバスズメ」がいます。
大きさでは一回りから二回りはクチバスズメのほうが大きいですが、個体差もありますので注意が必要です。
見分けるポイントはいくつかあります。
胸部背面の縦スジ
クチバスズメはほっそりとした縦スジが入ります。
モモスズメはこの線がちょっと太いです。
前羽の付け根あたりの細い褐色線
クチバスズメは直線的に模様が入ります。
モモスズメは弧を描いたような波模様になります。
ヒメクチバスズメとの違い
大きさはクチバスズメのほうが大きいのと、羽の模様も雰囲気が大きく異なり、前羽の先はヒメクチバスズメは黒っぽく黒化します。
背中の縦スジもヒメクチバスズメの方が太いです。
後ろの羽の色
クチバスズメは橙色を感じる濃い褐色。
モモスズメはピンク色が入る。
ヒメクチバスズメは茶褐色。
クチバスズメの生態
夜行性で光に集まる
クチバスズメは夜に活発に活動する夜行性の昆虫です。
光に集まる習性を持っているのでライトトラップなどでもよく見られます。
光に集まる習性のことを「走光性」と呼んでいます。
蛹(サナギ)で越冬
クチバスズメはサナギで越冬します。
クチバスズメの成長
スズメガの仲間を含む蛾の仲間は「完全変態」をする昆虫です。
完全変態とはサナギの期間があることで、幼虫時代と成虫とでは大きく姿が変わることが特徴的です。
クチバスズメは初夏と盛夏の2回発生します。
幼虫
大きな緑色のイモムシで、頭部が三角形をしています。
スズメガの仲間で頭部が三角形のものはそんなに多くありません。
全体に顆粒をまぶしたような、ザラザラとした印象のイモムシです。
クヌギやクリなどのブナ科の葉っぱを食草としますが、スズメガの仲間でブナ科食なのは珍しいです。
クチバスズメの分布や生息地
日本では北海道から沖縄の方まで生息する昆虫で、海外でも見ることが出来ます。
シベリア南東部、中国東北部、朝鮮半島、台湾、スマトラ、インドなどで見られます。
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