スズメガ科とは?
チョウ目に含まれるグループで、ガの仲間になります。大型の種類が多く、止まっている姿はグライダーのように見えるものが多いです。飛翔能力がかなり高く素早く飛び回ることができます。ホバリングも得意で、花の前で跳びながら口吻を伸ばしてミツを吸う姿がよく見られます。
幼虫はいろんな植物につくのですが、イモやサツマイモ類などにもよくついていて「芋虫(イモムシ)」の語源にもなりました。この仲間の幼虫には尻尾のような「尾角(びかく)」と呼ばれる突起がついているのですが、その役割はまだよくわかっていません。
羽化すると鱗粉(りんぷん)を払い落としてしまう「オオスカシバ」などもこのグループに含まれています。
スズメガ科の写真ギャラリー
Sphingidae
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スズメガの種類
スズメガ科の昆虫はその中でもいくつかの亜科に分類されます。
- ウチスズメ亜科(トビイロスズメ、クチバスズメ、ウンモンスズメなど)
- スズメガ亜科(メンガタスズメ、クロスズメ、シモフリスズメなど)
- ホウジャク亜科(オオスカシバ、ホシホウジャク、ベニスズメ、セスジスズメなど)
夜行性と昼行性
スズメガの仲間は夜間に活動する「夜行性」の種類が多いのですが、ホウジャク類の一部でオオスカシバなどは昼間に活動をする「昼行性」の蛾の仲間です。
夜行性の種類には「走光性」と呼ばれる、光に集まる習性を持つものが多く、ライトトラップなどの仕掛けによく飛来します。
街灯に大きな蛾がいると思ったらスズメガの仲間だったり、玄関先にやってくることもあります。
スズメガの幼虫
お尻の先に「尾角(びかく)」と呼ばれる、尻尾のような突起を持っているのが特徴的な大型イモムシです。
眼状紋と呼ばれる目玉模様を持ったものも多く、特徴的なイモムシがたくさんいます。
スズメガの仲間には大型のものが多いので、幼虫も大きく育ちます。
体の大きさに合わせて食べる量もかなりのものになるので、畑などで発生すると丸坊主にされてしまうこともあります。
スズメガの蛹(サナギ)
色んな植物の葉っぱを食べて育ちますが、サナギになる時は地面に降りるものが多いです。
基本は土中に潜ってサナギになりますが、コスズメやセスジスズメなどは地表で簡単な蛹室(ようしつ)を作ってサナギになります。
ホシヒメホウジャクと呼ばれるスズメガは、食草の葉っぱを綴って繭を作ることが知られています。
スズメガのイモムシの飼育
食草の確保ができれば飼育可能です。
大きく育って、たくさん食べるので食草は充分に準備しておきましょう。
どんどん食べてしまうので、取ってきた葉っぱは水差しやペットボトルに水を入れて挿しておいてあげると良いでしょう。
葉っぱがなくなる前に新しいものに取り替えて上げてください。
土中に潜ってサナギになるものが多いので、そろそろサナギになる頃かと思ったら潜る用の土を準備してあげるとよいですね。
しかし、たいていの場合は土がなくてもサナギにはなってくれるので神経質にはならなくても良いでしょう。