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アオバハゴロモってどんな虫?
身近にいる虫
街中や庭先の植物でも見られる昆虫です。アオバハゴロモの存在を知らないと気づかないかもしれないですが、一度見つけると良く見かける昆虫に変わってきますよ。
透明感のある雰囲気の羽や、淡く入ったピンクの模様。
一見地味ですが、味わい深い優しさを感じることのできるデザインをしてます。
アオバハゴロモ科
昆虫の分類にカメムシ目があり、アオバハゴロモはその中のアオバハゴロモ科の一種になります。
名前の由来やエピソード
学名に芸者とついている
ラテン語の学名は「Geisha distinctissim」となっています。なんと学名の中に「Geisha(芸者)」と入っているんですね。この学名をつけた方は淡いグリーンを縁取るピンクの色彩から芸者をイメージされたのでしょうね。
しらこばば
幼虫は白いロウ物質をまとった姿で、一見成虫とは似ても似つかない雰囲気を持っています。分泌したロウ物質は、お尻につけたり全身にまとったりするのですが、植物の茎にも付着し部分的に白っぽくなっているのを見つけます。その様子から「しらこばば」との呼び名もあります。
各地域での他の呼び名
正式名称は「アオバハゴロモ」ですが、地域によって「ゲイシャ」「ハトボッボ」「ハトムシ」「ポッポ」などの呼び名もあります。
アオバハゴロモの特徴
ピンクの縁取り
体の全体は淡い緑色をしているのだが、よく見ると羽の縁(ふち)はピンク色になっています。植物の茎に止まっていることが多いですが、植物のトゲや新芽の雰囲気を出そうとしているのだと思います。
幼虫はユキムシに似ている?
アオバハゴロモ幼虫は白いロウ物質を身にまとっていることで「雪虫・ユキムシ」と勘違いされることもあります。
しかし、雪虫とはアブラムシ科の昆虫で白い綿のような物質を身にまとったものを指しているので違う昆虫です。
参考:雪虫と呼ばれるアブラムシの一種「エノキワタアブラムシ」
生態
見た目に似合わず「跳ねる」虫
ゆっくりと歩く虫なのですが、驚いたり刺激を受けると「跳ねて」逃げる昆虫です。
成虫でも跳ねてから飛んで逃げることもあるのですが、幼虫の時期でも跳ねるので、観察していたら急に消えたように見えることがあります。
食べ物や餌(エサ)は植物の汁で害虫にも
植物の汁を吸うので、時には害虫として嫌われています。しかし、少し吸われたくらいで大きな被害が出ることはありません。
大発生しないようにだけ気をつけておきたいですね。
幼虫が大量に発生すると、汁を吸われることよりも、分泌された白いモケモケがたくさんついてベトベトしてくるのが問題になったりします。
成長
不完全変態の昆虫
成虫になると、羽がつくことで見た目が大きく変わりますが蛹(サナギ)の段階はなく、不完全変態と呼ばれる成長をします。
羽以外を観察すると幼虫も成虫も似ている気がしますね。
卵
卵は枯れ枝などの樹皮下に産み付けられるようです。
幼虫
白いロウ物質を身にまとった姿で、集団で植物の茎などについています。
幼虫がついている部分は、その周辺も白いモケモケがついているのですぐにわかります。
この白いロウ状の物質は触ると簡単に取れてしまいます。
羽化
成長すると、葉っぱにしっかりと捕まった状態で羽化をします。
今回観察してわかったことですが、写真をよく見てください。
口を葉っぱに差し込んで脱皮をしています。
この部分で羽化している間の体を支えているのですね!
成虫
分布や生息環境
北海道をのぞいて、本種から南西諸島まで広い範囲で見られます。
野外でも色んな植物につきますが、栽培されている植物につくこともあるので、庭や畑などでも見ることがあります。