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ヒグラシってどんなセミ?
朝夕に「カナカナ・・」と鳴いているセミで、なんとも染みる音程で個人的にも好きな鳴き声です。
(昆虫の鳴き声を美しいと感じるのは日本独特の感性で、海外ではうるさいとしか感じないという話も聞いたことがあります。)
別名で「カナカナゼミ」と呼ばれたりもしますが、英語では「evening cicada」と呼ばれます。「夕方になくセミ」の意味ですね。
日本の漢字では「日暮」がよく使われますが「日を暮れさせるセミ」という印象からつけられています。他にも「蜩、茅蜩、秋蜩、晩蟬」などいろんな漢字があるようです。
夏の終りをイメージさせるところからか、実際には6月頃から鳴いていますが秋の季語でもあります。
セミ科とは?
カメムシ目に含まれる昆虫で、ストロー状の口で幼虫から成虫まで木の汁などを吸っています。日本には30種類ほどが生息しています。鳴くのはオスだけです。
有名なセミの仲間には、ツクツクボウシやアブラゼミなどがいます。
ヒグラシに近い種類
イシガキヒグラシ
八重山諸島にはかつてヒグラシの亜種とされていた「イシガキヒグラシ」が生息しています。
環境省レッドデータブック2014では「準絶滅危惧(NT)」に指定されています。
鳴き声はヒグラシよりも金属音的で「キーンキンキン、ケケケケ・・・・」といった澄んだ鳴き方をします。
ヒグラシの特徴
模様や濃淡には個体によって連続的な変化が見られるようです。
頭は小さめで、オスの腹部はメスと比べてかなり長くなります。
特徴的な鳴き声を出すために発達したのか、オスの腹部は「共鳴室」になっていてほとんど空洞です。
ヒグラシの生態
ヒグラシの鳴き声
ヒグラシの鳴き声は、
「カナカナカナカナ、、、、、」
と、高い音程で明け方や夕方に鳴いています。日が暮れる印象や夏の終りを想起させるような、心に染みる鳴き声です。
夏の終りを連想させるとはイメージで、実際には6月頃から聞くことができます。
アニメ作品(もとはゲーム)の「ひぐらしのなく頃に」という作品がありますが、そこに出てくる重要なイベントの夏祭りも6月に行われています。
活動時期
6月下旬くらいから出始め、9月頃まで活動します。
ヒグラシの成長
ヒグラシの卵
メスは産卵管を樹皮などに突き刺して卵を産みます。
ヒグラシの幼虫
幼虫の期間は3年程度と言われています。
ヒグラシの羽化と抜け殻
朝方にヒグラシが羽化をしているのを見かけました。羽も少し色づいてきています。
腹部が長く発達しているのでヒグラシのオスです。
ヒグラシの成虫
成虫になると木の汁を吸ってメスを探します。
メスを呼ぶために「カナカナ」ときれいな声で鳴きます。
ヒグラシの寿命
よく見られるのが7~8月の間であることから、数週間から一ヶ月程度と思います。
ヒグラシの生息地や分布
日本では全国的に見られるセミで、東南アジアのセミでもあります。
平地から山地にかけてうす暗い林の中などから鳴き声が聞こえてきます。