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ニホンベニコメツキ(ベニコメツキ)

ニホンベニコメツキの写真

写真ギャラリー

鮮やかな紅色(奈良)

日光浴をするように葉っぱの上で堂々としています(奈良)

羽の合わさった部分は黒くなっているものや、黒くならないものなどがいるようです(奈良)

立派なクシ状の触角を持ちます(奈良)

コメツキムシ科まとめ 米搗虫図鑑

ニホンベニコメツキってどんな虫?

赤い羽が特徴的で綺麗なコメツキムシ。
その赤色は、体内に毒を持つと言われるベニボタルの仲間に擬態していると言われ「カクムネベニボタル」と大変よく似ています。

5月頃から林縁の樹木の葉上などでよく見られ、低い位置の草や木にも止まっているのを見かけます。
毒を持つと言われる昆虫に擬態しているおかげか、結構目立つところで堂々と日光浴をしている個体も多いです。

初めて見かけた時には、近くにアカハネムシやベニボタルの仲間も見かけるので、紛らわしくて混乱したものです。

コメツキムシ科

昆虫の分類の中で硬い羽を持つのが特徴の「甲虫目」があり、その中の「コメツキムシ科」に属しています。「ニホンベニコメツキ」はその中の一種です。
日本では800種ほどが知られており、体をひっくり返すと、胸と羽の部分をV字に曲げて、その姿勢を戻す反動で勢いよく飛び跳ねます。その様子がまるで米をついているようなのでコメツキムシと名付けられました。

ニホンベニコメツキの特徴

ベニボタルに擬態した結果と言われる赤い羽が特徴的です。
触角はクシ状になっています。

ニホンベニコメツキ

ニホンベニコメツキの写真
葉っぱの上で堂々としているベニコメツキ。
ニホンベニコメツキの写真
上から。
ニホンベニコメツキの写真
裏側。

ミヤマベニコメツキとの違い

実はベニコメツキには「ニホンベニコメツキ(ベニコメツキ)」と「ミヤマベニコメツキ」の二種がいるようで、その姿は大変良く似ています。

  • ニホンベニコメツキの頭部には1対の褐色斑がある。
  • 胸部を横切るような溝がない(ミヤマベニコメツキでは胸部を横切る溝があって、山が4つあるように見えるらしい)

ややこしいとか、よくわからないと言ってる人も多いので、複合的に判断するのが良さそうです。
私もミヤマの方を見たことがないので、ちょっと判断しかねますが胸部を横切るような溝が確認できないものを、ニホンベニコメツキとしています。

ベニボタルに擬態する昆虫

ベニコメツキは「ベニボタル」の仲間に擬態していると言われています。

ベニボタルは体内に毒を持つと言われており、その姿に擬態していると思われる昆虫が何種類か確認されています。
アカハネムシなども、その一種となります。

個人的には胸部の形を見るのが見分けやすいかなと思います。
ベニコメツキには、コメツキムシらしい胸部の後ろ側のトゲがあります。
それがなかったらベニボタルの仲間の可能性があります。
アカハネムシは胸部の後方も凹んで丸っこく見えます。

ニホンベニコメツキの写真
ニホンベニコメツキ。カクムネベニボタルとよく似ている。
カクムネベニボタルの写真
毒を持つと言われるベニボタルの仲間の「カクムネベニボタル
アカハネムシの写真
ベニボタルの仲間に擬態していると言われる「アカハネムシ

コメツキムシは羽が硬いのも特徴ですね!

分布や生息環境

日本では北海道から九州まで見ることのできるコメツキムシです。

コメツキムシの仲間をもっと見る!

コメツキムシ科まとめ 米搗虫図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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