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キリギリス

キリギリスの写真

写真ギャラリー

長い産卵管が見られるのでキリギリスのメス♀です(滋賀県)

ひょうきんな顔をしています(滋賀県)

堂々とした佇まいで歩いていました(滋賀県)

夜中の駅構内で発見(滋賀県)

地面を徘徊していたキリギリス(滋賀県)

こっちを見ている(大阪)

よく見るととんでもないポーズに(大阪)

成虫のオス(大阪)

葉陰から出てきた(奈良)

まだ幼虫だが顔つきが立派だ

キリギリス(滋賀県)

キリギリス科まとめ 螽斯図鑑

キリギリスってどんな虫?

アリとキリギリスの話でも知られる昆虫で、夏頃から鳴き声を聞くことのできる昆虫でしたが、都市部近郊では減少傾向にあるようです。

キリギリスの写真
葉陰からひょっこり出てきました。

アリとキリギリスを英語で?

「アリとキリギリス」を英語では「The Ants and the Grasshopper」などと訳されています。しかし、実は「Grasshopper(グラスホッパー)」はバッタ系全般に使われる英語だったりします。

キリギリスには「katydid(ケィティディッドゥ)」という英語が使われます。グラスホッパーはよく聞くのですが、ケィティディッドゥはあまり聞かないので馴染みがないですね。

キリギリスの別名

その鳴き声から「ギス」や「ギッチョ」と呼ばれたりもします。古くは「機織虫(はたおりむし)」と呼ばれたこともあるようです。これはその鳴き声が機織機のように聞こえたのでしょう。

コオロギと呼ばれたキリギリス

昔は鳴く虫のことをコオロギと呼んでいた時代があったようです。その頃にはセミなども含めてキリギリスもコオロギと呼ばれていました。

キリギリス科

昆虫の分類にバッタ目があります。その中にキリギリス科があって、キリギリスはその中の一種になります。日本で有名なキリギリス科の仲間ではそのままキリギリスやヤブキリなどがいます。バッタの仲間は草食が基本ですが、キリギリス科の仲間は雑食のものもおり、他の昆虫を捕食する行動も知られています。

キリギリスの特徴

若齢の幼虫

キリギリスの写真
まだ小さい幼虫
キリギリスの写真
背中には両サイドに筋模様
キリギリスの写真
触角が長い
キリギリスの写真
後ろ脚のお手入れ
キリギリスの写真
後ろ脚のお手入れ

中齢の幼虫

キリギリスのオスの写真
成長したオスの幼虫。羽になる翅芽(しが)が見える。
キリギリスのメスの写真
成長したメスの幼虫。産卵管が目立ってきた。
キリギリスのメスの写真
メス:さらに成長すると、産卵管が立派になっていく。

成虫のオス

キリギリスの写真
成虫のオス
成虫のオス
キリギリスの写真
オスは鳴くので、羽には発音器があり、形がメスと異なります。

成虫のメス

キリギリスのメスの写真
成虫のメス
キリギリスのメスの写真
メスは長い産卵管を持ちます
キリギリスのメスの写真
発音器がないので、オスと羽の形が異なります。

脚や産卵管

キリギリスの産卵管の写真
まるで日本刀のような産卵管
キリギリスの産卵管の写真
産卵管の先
キリギリスの後ろ足の写真
後ろ脚
キリギリスの後ろ足の写真
ジャンプでしっかりと蹴れるような構造
キリギリスの後ろ足の写真
後ろ脚を裏から。滑りやすい面にもくっつくことができる。
キリギリスの前足の写真
前脚は後ろ足と構造が違う。

体の色は緑色から淡褐色

キリギリスは緑色のものが多く見られますが、茶褐色の強い個体も見つかります。体の色が茶色になっても羽には緑色の帯が入っています。

キリギリスの写真
全体的に緑色の強いキリギリス

キリギリスの顔

大きな体にツルンとした印象の顔をしています。大きな口をしていて、勢いよく食事をする様子が観察できます。

キリギリスの写真
キリギリスの顔。意外に平べったい顔をしています。口も大きいので勢いよくご飯を食べます。

鳴き声

「ーーーチョッ、ジーーチョン!」と鳴いています。

生態

食べ物、餌(エサ)は?

イネ科の植物や小昆虫などを捉えて食べる雑食性です。小さな幼虫の頃は種子や花粉などを食べていて可愛いのですが、大きくなるにつれ、他の昆虫を捕食するようになっていきます。成長にはタンパク質が不可欠のようで、他の昆虫などを捕らえないと成虫まで大きくなれなかったり、産卵もうまくできなくなってしまうようです。

飼育下でのエサ

玉ねぎなどは食いつきがとてもよいです。他にもイネ科の植物や穀類などを与えます。
タンパク質も必要なので、ドッグフードや削り節などもあげるとよいです。

キリギリスの写真
ニンジンを食べるキリギリス
キリギリスの写真
タマネギはとても食いつきが良い
キリギリスの写真
煮干しなど、動物性のタンパク質も
キリギリスの写真
クズの葉っぱもよく食べます
キリギリスの写真
クズの葉っぱの食べ痕。
大きく鋭いアゴで、引き裂くように食べているのがわかります。

トゲトゲの前脚

後脚の太もも部分を除いて脚(アシ)にはトゲが目立っています。特に前脚ですが、これは他の昆虫を捕らえる時に逃さないようにする役割があるようです。ですから、キリギリスを始め肉食性を持つヤブキリやウマオイにも似た特徴が見られます。

キリギリスの写真
キリギリスの前脚を見てみると鋭いトゲが見られます。

成長(産卵・卵・幼虫・脱皮・成虫)

産卵

キリギリスの写真
産卵管を下向きに土に差し込んで卵を産みます。
キリギリスの写真
土中に産卵されたものがうっすらと見えています。

キリギリスの写真

幼虫

キリギリスの写真
背中の両サイドに筋が入ったように見えるのが特徴。
キリギリスの写真
まだ小さくて可愛らしい印象です。
キリギリスの写真
成長した幼虫。
キリギリスの写真
幼虫ですが、顔つきは成虫に近づいてきました。

脱皮

キリギリスの写真
ぶら下がって脱皮をします。
触角が長くて細いので慎重に。
キリギリスの写真
後ろ脚を無理やり引き抜いていました。
本来曲がっちゃいけない部分が曲がっていてビックリしました。
キリギリスの写真
曲がっていた脚も伸ばして、お尻の先だけ残した状態でしばらく休みます。
キリギリスの写真
脱皮殻を登るようにして全部脱ぎました。

成虫

キリギリスの写真
成虫のオス
キリギリスの写真
成虫のメス
キリギリスの写真
成虫のメス

生息地と分布

キリギリスは本州から南西諸島まで見ることのできる昆虫です。海岸から丘陵のあたり、他には河原の周りや草丈の高い草原でよく見つかります。

「ニシキリギリス」と「ヒガシキリギリス」

現在ではキリギリスは複数の種類に分けられるとされています。このサイトではまとめてキリギリスとしています。大雑把に分けると、近畿地方よりも西では「ニシキリギリス」東では「ヒガシキリギリス」と言われています。

とても良く似ていますが、ある程度の特徴では「ニシキリギリス」は羽は長めで黒斑は一列程度。「ヒガシキリギリス」は羽が短くっ黒斑が多い印象です。

キリギリスの仲間をもっと見る

キリギリス科まとめ 螽斯図鑑

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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