カブトムシも見つける場所で特徴が変わっているのご存知ですか?カブトムシの中でも、地域の特徴によって「亜種」という風に分けられて名前がついていたりします。それらと、ツノがあるなどでカブトムシに似た虫を紹介します!
著者紹介
はじめまして。昆虫写真家でWebサイト「ムシミル」の管理人の村松です。
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カブトムシは「種類」
生き物を分類した時の階級で「種」というのは生物の基本的な単位(最小単位)となります。ちょっと難しいですね!
こんな下のような感じです!
「昆虫の仲間」→「コウチュウ目」→「コガネムシ科」→「カブトムシ」
昆虫の仲間は「目(もく)」という大きなグループに分けられています。それが、硬い羽を持つことが特徴の「コウチュウ目」です。
その中で、さらに特徴を細分化したものが「科(か)」になります。オサムシの仲間とかテントウムシの仲間とかです。それがカブトムシでは「コガネムシ科」です。
そして、一番小さな単位が「種(しゅ)」となって「カブトムシ」という名前がつけられます。
では「亜種」ってなんだろう?
亜種は「種」をさらに細分化した単位になります。
離島等でその特徴に少しずつ差が出てくることがあるのです。同じ種類だけど、見た目などの特徴が異なるものを区別するのに使われることがあるんですね。
見た目に違いがあっても、同じ種類ですから交配可能な場合が多いです。
カブトムシの亜種は?
日本には数種類の亜種がいます。
カブトムシ(ヤマトカブトムシ)
基本的にカブトムシと言えばこの「ヤマトカブトムシ」のことです。黒っぽいものから赤カブと呼ばれる赤褐色のものまでいます。オスのツノは大きく発達し、体長が5cmを超える大きな個体も見られます。(体長はツノのぞく)
オキナワカブト
沖縄本島と一部の周辺離島に生息しています。ヤマトカブトムシよりもツノは小さく発達しません。色も黒っぽいものが多く、少し胸のあたりに赤みの入ったものでも上翅(じょうし)は黒く、ツヤっぽさがあります。
クメジマカブト
オキナワカブトよりも更に黒っぽくなります。ツノもオキナワカブトと比べても発達しませんが、個体差にもよってくるでしょう。久米島で見つかる亜種になります。
ツチヤカブト
ヤマトカブトムシより小型の傾向があるようで、鹿児島県の口永良部島で見つかります。黒っぽさと、全体の微毛が少ないことによる強い光沢感が特徴のようです。
タイリクカブト(中国大陸、朝鮮半島)
中国大陸、朝鮮半島に生息するカブトムシ。
ツノボソカブト(台湾)
台湾に生息するカブトムシ。
ツヤカブト(タイ)
タイに生息するカブトムシ。
カブトムシの移入種問題
亜種と分けられていても、種としては同じ分類なので交配して産卵することが可能です。
オキナワではホームセンターなどでヤマトカブトムシなどの販売もされているようですが、放虫や逃げ出した個体によるオキナワカブトとの交雑種が問題となっています。
純粋なオキナワカブトは数を減らして、現在では採集禁止になっています。
カブトムシの仲間や似た種類の昆虫
コカブト
日本に住むカブトムシの仲間で、サイズも2cm程度と小さいのですがオスには小さなツノがあります。胸のところが少し窪んでいるのが特徴です。
タイワンカブト(サイカブト)
南西諸島で見られる外来種のカブトムシです。オスにもメスにもツノがあります。サトウキビやパイナップルなどにつくことで害虫として知られています。
ダイコクコガネ
個体差はありますが、オスには大きなツノがあります。その風貌はカブトムシにそっくりなのですが、牛の糞などに集まる昆虫でフンチュウと呼ばれるコガネムシの仲間です。
クワガタムシ
知らない人からすると、ツノが2本なのがクワガタムシと勘違いする人がいるようです。クワガタムシにあるのは「アゴ」に当たる部分で実はツノではないんですね。カブトムシは「コガネムシ科」の昆虫ですが、クワガタムシは「クワガタムシ科」の昆虫になるので、同じコウチュウ目ですが違う「科」に分類されています。
まとめ
亜種というのは、進化や変化を考える上でとても興味深いですね!しかし、国内であっても人の手によって移入されたりすると、その地域の生態系を壊してしまうことにもつながりかねません。飼育などする場合には最後までしっかりと面倒を見たいですね。
ツノのある代表的な昆虫はカブトムシですが、他にも国内にツノのある昆虫はいます。いろんな昆虫を観察してその違いがわかると面白いですよ!