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クロボシツツハムシ観察コラム
テントウムシみーつっけっ・・・ あっ、違う。
これハムシの仲間だ!
まるで、テントウムシのような赤と黒の模様が葉っぱの上で目立ってたんですよね。堂々としたもので、ゆっくり動いてたまに葉っぱをもしゃもしゃ。少し大きめのクロボシツツハムシを見つけたので観察していると、どうやらメスみたい。後ろ足で何かをしている?お尻に何かがついている?じっと見ていたら、ぽとっと落としました。
後から調べてみると、卵をフンでくるんで産み落とすのだそうで、器用なことをするもんだと驚いたのを覚えています。
クロボシツツハムシってどんな虫?
名前の由来
まるでナナホシテントウのようですが、黒い星(紋)が特徴で「クロボシ」ですね!そしてツツハムシという仲間の一種になります。ツツハムシの名前の由来ですが、この仲間は幼虫の時代に自分のフンで作った筒状のお家に住んで生活をしているので、そこからきているという話をよく聞きます。もう一つあって、ツツハムシの仲間の成虫は筒のような体をしているハムシの仲間だから。というシンプルな説もあるんですよ。
ハムシの仲間では「ネクイハムシ」の仲間は幼虫が水草の根を食べるという生態から名前がつけられていますが、くくり猿の形に似ているから名前がつけられた「サルハムシ」、胸部の細さから名前がつけられた「クビボソハムシ」などはその形状から名前がつけられているのですが、全体的には形状の特徴から名前を付けられている種類が多いですね。さぁ、こいつはどっちだったのかな?
何を食べる?エサは?
大人の成虫では、広葉樹の葉っぱを色々と食べて過ごしています。クヌギやクリの葉などを端っこの方からもしゃもしゃ食べていきます。バラ科のノイバラやサクラの葉っぱも食べますね!
幼虫はぜんぜん違う食性で、地表で生活をして腐植質を食べて生活しています。
擬態
この赤黒模様は、なんとテントウムシに擬態しているんですね!
テントウムシは天敵から身を守るために黄色く苦い汁を出すのですが、とてつもなくまずい!!
鳥たちもテントウムシはまずくて食べないのですね。そのテントウムシに姿を似せることで、鳥などの捕食者から狙われないようにしている工夫です!
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分布と生息地
分布は本州から四国や九州でも見られ、低山地や山のすそなどに多いです。でも、公園や庭でも見つけることができますよ。都会の公園でも樹林があったり緑が豊かだと生息環境としては問題ないのでしょうね。
変わった卵と産卵の様子
ツツハムシの仲間はちょっと変わった産卵をします。産んだ卵を後ろ足で抱えると、そこにフンを重ねていくんです。卵がフンでくるまれると、地面にポトッと落とします。後ろ足だけで器用に卵を包んでいくので凄いですね!
筒に入った幼虫時代
地面に落とされた卵から孵化した幼虫は、自分でもフンを固めて筒状のおうちを作ります。ミノムシみたいな感じです。この習性がツツハムシという名前の由来になったとも言われています。
越冬は幼虫で
クロボシツツハムシは幼虫の状態で冬を越しますよ。
模様の似た昆虫
似た模様の昆虫も多いです。擬態のモデルになったと言われている「ナナホシテントウ」もそうですし、ツツハムシの仲間でコヤツボシツツハムシやトホシハムシなどの昆虫も赤地に黒い模様が入っているので似ています。みんな、ナナホシテントウに擬態しているのでしょうね!
近似種のムツボシツツハムシ
近似種にムツボシツツハムシという種類がいるのですが、北海道にしか分布しないので間違うことはないでしょう。