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オオクワガタってどんな虫?
日本で最大級の大きさを誇るクワガタムシで、今では飼育もメジャーな昆虫ですが野生では数を減らしています。昔は飼育方法が確立されておらずに、天然のオオクワガタといえば「黒いダイヤ」などと言われ高値で取引されていました。子供の頃にも「一攫千金狙うぞー」とか言ってオオクワガタを探しに行ったものです。見つからなかったですけど・・・。
絶滅危惧Ⅱ類(VU)
飼育やペットとして人気が高いので馴染みが深いのですが、野生の環境下では数を減らして2014環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されています。各都道府県で出されているレッドリストやレッドデータブックでもなんらかの指定を受けています。
クワガタムシ科
昆虫の分類の中で硬い羽を持つのが特徴の甲虫目があります。その中に「クワガタムシ科」は含まれており、オオクワガタはその中の一種になります。日本では40種ほどが知られており、オスは大きなアゴを持つことで子供から大人まで人気の高い昆虫です。飼育も盛んに行われています。
この仲間には、ヒラタクワガタやミヤマクワガタ、ノコギリクワガタなど人気の昆虫がたくさん属しています。
オオクワガタの特徴
オス♂(大アゴの形)
オスの大アゴは、大きな内歯(ないし)がひとつ。アゴの先に小さな小歯も見られ、太く湾曲した強そうなアゴをしています。
小型の個体でも内歯は確認できます。コクワガタなどでは、小型個体になると内歯が消失することもあります。
オオクワガタのオスは大型・小型で特徴に違いが出てきます。
オオクワガタの大型個体
オオクワガタの大型個体では、内歯は前方をむいています。
羽にはあまり目立った筋は入りません。
オオクワガタの小型個体
オオクワガタの小型個体では、内歯の位置が下がって横をむいています。
羽に筋が入ってきます。
メス♀
オオクワガタのメスは、羽に光沢があり、明瞭な縦筋が入ることが特徴です。
ワンポイント!
クワガタムシの特徴として触角の第1節が長いことや、触角の先が分かれているところが同じコウチュウの仲間のコガネムシなどと違うところです。
生態(性格や寿命など)
臆病な性格
オオクワガタは警戒心が強く樹洞に潜んでいることが多いです。
野外で見つけるのは簡単ではありません。
雑種のオオコクワガタ!?
不思議な関係ですが、オオクワガタとコクワガタの間で交尾をして雑種が生まれることが知られています。
オオクワガタとコクワガタ両方の特徴を併せ持った「オオコクワガタ」が生まれるようですが、幼虫での死亡率が高く飼育は難しいです。
オオクワガタの寿命
成虫になるまでだいたい二年くらいかかります。さらに活動を開始するまで一年程じっとしていて、活動を始めると何度か越冬もして数年生きるので寿命は長い方です。
飼育下では5~6年生きたりもします。
走光性
光に集まる習性をもっています。
しかし、樹洞や木の奥に潜んでいることが多いので、光が届かずにライトトラップなどに飛んでくることはまれです。
成長
完全変態をする昆虫で、幼虫期間は約2年。
成虫になってからは越冬を繰り返して数年活動します。
幼虫
成虫
分布や生息環境
日本では北海道から九州まで見ることが出来ます。
雑木林やブナ林などに生息し、夜行性で昼間は木の洞などに隠れていることが多いです。
移動性はあまり高くないので飛ぶことも珍しいですが、住処を変えるときや灯火に向かうときには飛んでいきます。