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アオスジアゲハ

アオスジアゲハ

写真ギャラリー

アオスジアゲハの飛翔(大坂)

地面から吸水している(大坂)

アオスジアゲハの飛翔(大坂)

花のミツを吸っている(大坂)

孵化(ふか)

1齢幼虫

少し大きくなった幼虫

蛹(サナギ)

羽化の直前

羽化が始まった

羽化したアオスジアゲハは羽がくしゃくしゃ

ヒメジョオンでミツを吸うアオスジアゲハ

アオスジアゲハはどんな蝶?特徴は?

青白い筋の美しいチョウチョ

黒い羽にに爽やかなブルーの模様が入っている美しいチョウです。

アオスジアゲハの写真
ヒメジョオンでミツを吸うアオスジアゲハ

素早さのパラメーターが高い

飛翔力は高く、とても速いスピードで、高いところや花の周りを目まぐるしく飛び回っています。
吸蜜や給水もせわしない感じで、ちょっと吸ったらすぐ次に移動します。
子供の頃は捕まえることができずに苦労した思い出があります。

都会にもいる

街路樹にも利用されるクスノキなどを食べるので、都会の中でも見られるチョウです。

アオスジアゲハの成長の様子

スライドショーの動画で紹介!

約2分の動画にまとめています。
もっと詳しく知りたい場合は、以下で文章と共にお楽しみ下さい。

卵(たまご)

食草であるクスノキなどに一個ずつ産みつけます。

産卵後すぐの卵はほんのり黄色みのある卵ですが、時間が経って孵化(ふか)が近づいてくると中の幼虫の姿が透けて見えてきます。

孵化(ふか)の様子

卵の中で幼虫が形作られ、孵化が近づいてくると中に幼虫の姿が見えてきます。卵から出てきた幼虫は最初に卵の殻を食べます。

卵の殻を内側からちょっとずつかじって出てきた幼虫は、最初に自分が入っていた卵の殻を食べます。生まれたばかりの幼虫のことを初令幼虫(1齢幼虫)と呼びます。

幼虫(ようちゅう)1齢~5齢

生まれたばかりの幼虫は「1齢幼虫(いちれいようちゅう)」と呼ばます。アオスジアゲハの生まれたての幼虫は黒くて毛虫のようです。脱皮をして「2齢幼虫」「3齢幼虫」「4齢幼虫」と大きくなっていき、色も緑色になります。
さらに脱皮をすると「5齢幼虫(終齢幼虫)」になります。
3齢くらいで緑色が強くなり、4齢になると黄色い帯が目立ってきます。5齢幼虫(終齢幼虫)になると眼状紋が入ります。他のアゲハイモムシと比べると小さな眼状紋です。
※終齢幼虫とはサナギになる前段階の幼虫のことです。チョウの種類によって何齢で終齢幼虫になるかは違います。

イモムシの眠(みん)

幼虫は脱皮をする前にはご飯を食べなくなって、そのうちじっとして動かなくなります。脱皮に備えて力を蓄えています。その状態を眠(みん)と呼びます。

脱皮(だっぴ)

アオスジアゲハのイモムシは大きくなるために脱皮をします。これは、古くなった表皮をまとめて脱ぎ去っているのです。チョウの幼虫は柔らかいのでわかりにくいですが、昆虫はクチクラ層からなる外骨格で形成されていて、成長とともに中身が大きくなっても、外見はあまり大きくなれません。ですから、成長に伴い古い皮を脱ぎ捨てることで大きくなっていくのです。

眠の状態で小さくなっていたところから、体をぐいっと伸ばし体を収縮させながら、どんどん古い皮を脱いでいきます。最後にはお尻から全部皮を脱いでしまいます。脱皮した皮は食べてしまうのですが、それは栄養の確保と痕跡を消す役割があると思われます。

前蛹(ぜんよう)

蛹(さなぎ)になる直前にじっと動かなくなります。その状態を前蛹(ぜんよう)と呼びます。蛹になる準備に入ると餌(エサ)を食べなくなり、体の中の余計なモノをすべて出すので透き通ってきます。
場所を決めたら、糸で腹部の先端を軽くくっつけて、さらにループ状に吐き出した糸で体をひっかけるように支えます。

蛹化(ようか)

終齢幼虫が脱皮をして蛹(サナギ)の形状になることを蛹化(ようか)と言います。

頭の後ろ部分が破れて、角がひょっこり出てくるところから蛹化(ようか)が始まります。 全部脱ぎ終わると、軽く固定したおしりの先を一回離して皮を捨てます。その後、器用に元の位置にお尻をくっつけます。

蛹(さなぎ)

この時期に体を大きく作り変えて、蛹の中で羽のある姿を形成します。

蛹は淡い緑色で濃淡のある筋が入っています。これは葉脈を真似ている擬態なのでしょう。羽化が近づくと、蛹の中で蝶の姿ができてきます。羽化の直前の蛹では、はっきりと中の蝶の姿を見ることができます。

羽化(うか)

蛹の中で羽のある成虫の体が出来上がると、最後の脱皮をして出てきます。これを羽化(うか)と言います。蛹の殻にヒビが入ってからほんの1分程度の出来事ですが、とても神秘的な光景です。

蛹の上部からヒビが入ってパカっと割れます。そこからぐいぐいとチョウが出て来るのですが、最初は羽がクシャクシャです。まずは、ぶら下がって羽が伸ばせるところまで行って、飛び立てるようになるまではじっとしています。

成虫から産卵

成虫になるとオスとメスが出会って産卵します。年に3~4回ほど発生するので春から夏の間ずっと、卵から幼虫まで観察することができます。

アオスジアゲハの越冬

アオスジアゲハは年に数回発生して見ることができますが、秋に蛹になったものはその状態で冬を越します。

アオスジアゲハ
アオスジアゲハ

おまけ:アオスジアゲハ幼虫のうんこ

丸っこいような黒いうんこをします。幼虫の成長に合わせてうんこも大きくなっていきます。

アオスジアゲハ
アオスジアゲハのうんち。ころんとしたかわいいうんちですね。

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

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カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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