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ユウレイセセリってどんな蝶?
セセリチョウ科
チョウの分類にセセリチョウ科があります。尖ったものでつつき回すことを「せせる」と言います。セセリチョウの仲間の口吻は長いものが多く、花をあちこち「せせり」ながらミツを吸うところから名付けられました。セセリチョウ科の仲間にはイチモンジセセリやアオバセセリなどがいます。
ユウレイとは?名前の由来
ユウレイセセリは日中から活動をします。ランタナやセンダングサなどを訪れて吸ミツしたり、路上で吸水するところなども見られたりします。
しかし、このユウレイセセリは少し暗い環境を好む傾向があり、道路脇や人家周辺の空き地などで少し陰ったところで見られたりします。おそらく、そのことからユウレイが出るようなところで見られるセセリチョウということで名前がつけられたと思われます。生態がそれほど他のセセリチョウと変わっているわけではないのですが、そんなところでよく見られるもんだから、たまたま幽霊みたいと思われて名前にもユウレイと入ってしまうなんて面白い話です。
白い斑点
全体に少し地味な黄褐色(薄茶色)で、羽の裏の後ろ羽には白い小斑点が3~4つ弧を描くように並んでいます。ここの小斑点が弧を描かずに直線的だとヒメイチモンジセセリなどの可能性があります。この後ろ羽の模様は裏側だけのもので、羽を広げたときの表面は無紋になっているのも特徴の一つになります。
生息地と分布
茶色い地味さと模様がよく見るセセリチョウにいそうな感じなので見逃しがちになるのですが、調べてみれば日本では南西諸島にしか生息しないセセリチョウです。よく見かけるのは、樹林の周辺などで木が茂った少し暗い場所を好んで活動しています。
南西諸島の中でも八重山のあたりで見ることができていた種類で、今は分布が北上して沖縄島でも見られるようになっているのだそうです。分布を広げているくらいですし、比較的たくさんみられる種類だと思います。
幼虫の食べ物、餌(エサ)
オオササガヤやススキなどのイネ科植物を食べて幼虫は育ちます。セセリチョウの仲間ではイネ科を食べて育つものが多く、このユウレイセセリもそのような食性を持っているようですね。