写真ギャラリー
ウラギンシジミってどんなチョウ?
銀白色の羽を開くと、濃い茶色の羽が見える特徴的な色彩を持っています。丸っこい羽を持った種類の多いシジミチョウ科の中で羽の先が尖っているのも変わっています。
シジミチョウの仲間の幼虫はワラジ形をしているものが多く、ウラギンシジミの幼虫もワラジ形です。
しかし、尾部に突起を持っているという特徴を持っており、驚くとそこからブラシ状に広がる突起を飛び出させるという習性を持っています。
シジミチョウ科
ウラギンシジミはシジミチョウ科の仲間で小型のものが多いです。シジミチョウというのは、貝の蜆(シジミ)のような形の羽をしているところからきています。羽を開いたときに光沢感のある美しい色彩を持った種類が多いので、ウラギンシジミは少し雰囲気の違うシジミチョウになります。
ウラギンシジミの特徴
羽を閉じたときの裏面が真っ白なチョウチョです。
銀白色の羽とも言われていて、模様もないのが特徴的です。
あまりにも真っ白なのでウラギン(裏銀)シジミとつけられたのでしょうね。
オスとメスの違い(羽の色)
濃いめの茶色にオスは朱色の紋、メスは白色っぽい紋(少し水色のものも)を持っています。
ハタハタハタと飛んでいる姿は、表と裏の羽が交互にチラチラして見えるので、飛んでいる姿はキラキラして見えて素敵です。
生態
幼虫の色彩
幼虫は周りの環境に合わせて、緑色のタイプからピンク紫のタイプまで見られます。
生まれた幼虫を、葉っぱ(緑色)とフジの花(紫色)で育ててみたところ、周りの色に合わせた体色に成長していく様子が観察できました。
幼虫の威嚇(いかく)
幼虫は危険を感じると、尾部(びぶ)にある筒状の突起からブラシ状の突起を出して威嚇します。
食べ物や餌(エサ)は?
幼虫時代
フジ、エンジュ、クズなどのマメ科植物の蕾(つぼみ)や花などを食べて育ちます。
成虫時代
花のミツや樹液などにもやってきますが、腐った果実や湿った道路などで吸水したりと何にでも集まります。
越冬
ウラギンシジミの冬の越し方は成虫越冬です。冬の間でも、木の枝などにぶら下がってじっとしているのを見つけることがあります。
南西諸島などの暖かい地域では越冬する必要がないので周年見ることができます。
成長(卵・幼虫・サナギ・成虫)
卵
凸凹とした特徴的な卵を産みます。
フジの蔓(つる)に産み付けられた卵を見つけました。
孵化(ふか)
孵化(ふか)の準備ができると、卵の上部を食い破って出てきます。
幼虫
孵化したての幼虫は小さな毛虫といった印象で、特徴的な尾部の突起は持ちません。
2齢幼虫になると、尾部に突起を持つようになり、ウラギンシジミの幼虫らしく育っていきます。
4齢まで成長しますが、体色は緑色から赤紫色まで変異があります。
脱皮
四齢幼虫まで脱皮を繰り返して大きくなってきます。
突起が脱皮しにくいのではないかと思っていましたが、特に問題なく古い皮を脱ぐことができるようです。
前蛹(ぜんよう)
幼虫からサナギになる準備をする段階を前蛹と呼びます。
体に糸をかけて動かなくなり、サナギに体を作り変えて脱皮します。
蛹(さなぎ)
羽化(うか)
羽化(うか)の様子を順番に並べてみました。
成虫
オスメスともに銀白色ですが、羽裏はオスがオレンジ。メスが白色の模様になります。
分布や生息環境
ウラギンシジミは暖地性のチョウで、本州より南に分布しています。