バッタを飼育して観察した記録を更新していきます!
この記事で紹介しているのはアカハネオンブバッタと呼ばれるバッタの仲間です。
実際に飼育して、成長していく様子を紹介することで、小さな昆虫に興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいです。
基本の部分では、一般的な飼育方法や準備するものから、オンブバッタの生態まで説明をしています。
著者紹介
はじめまして。昆虫写真家でWebサイト「ムシミル」の管理人の村松です。
ムシミルは昆虫の写真を通して自然に関心を持つ人がたくさん増えるようにと運営しています。写真を使って昆虫の紹介をしたり、昆虫の「面白い!」に関心を持つ人が増えてほしいと思っているので、飼育などの記事も書いています。
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はじめに
バッタの飼育ですが、今回育てているのは「アカハネオンブバッタ」と呼ばれる種類のオンブバッタです。
オンブバッタは知っているけど、アカハネオンブバッタは聞いたことがないぞ?って方も多いのではないでしょうか。
もともと日本では南西諸島(沖縄とか)でしか見られない昆虫だったのですが、分布を広げて本州でも見ることができるようになってきたのです。
見た目は普通のオンブバッタと瓜二つで、違いを確認しようと思ったら羽が赤くなっていることを確認しないといけません。
羽の色の違い(画像)
羽が赤いところが一番の大きな違いですが、研究報告や飼育している人の話を聞いているとオンブバッタとアカハネオンブバッタのペアでも産卵可能みたいです。
オンブバッタとアカハネオンブバッタの生体はほとんど一緒と思いますから、普通のオンブバッタを飼育する際にも参考になると思います。
オンブバッタの交尾
今回は羽が赤いのを確認したアカハネオンブバッタを昨年の晩秋に飼育していたのですが、その時に生んだ卵が春になって孵ってきたので飼育記録をつけることにしました!
卵の管理
大きめの飼育ケースに、小さめのプラスチックケースに土を入れたものを準備しておきました。
ケースの壁に産卵されたものなどもありますが、土の中に産卵してくれると管理しやすいです。
このプラスチックのケースにラップをかけて、たまに霧吹きをして水分を補給してあげながら冬の間は管理していました。
オンブバッタの一生と生態
オンブバッタの生態について簡単に紹介しておきます。
オンブバッタはバッタ目のオンブバッタ科に含まれる昆虫で、近い仲間ではバッタ科のショウリョウバッタやキリギリス科のキリギリスなどがいます。
不完全変態する昆虫
バッタの仲間は「不完全変態」と呼ばれる成長をします。
昆虫の中ではチョウチョの幼虫などはイモムシの姿をしています。蛹(サナギ)になって羽化することで大きく姿を変える昆虫です。
カブトムシの幼虫も土の中で生活し、サナギになってツノのある成虫へと成長します。生活の仕方から姿まで大きく変化します。
そういったサナギの期間を経て、大きく姿を変える成長を「完全変態」と呼ぶんですね。
バッタの仲間は「卵」「幼虫」「成虫」と成長していくのですが、幼虫と成虫の姿が似ています。そういった昆虫の成長は「不完全変態」と呼ばれているんですね!
オンブバッタの季節
春に暖かくなってきたら幼虫が卵から孵化(ふか)してきます!
何度かの脱皮を繰り返して夏頃には成虫のオンブバッタが見られるようになります。
成虫のオンブバッタで有名なのは、オスの方が小さいことですが、そのオスがメスの上に乗って交尾をする様子が観察できるようになります。
交尾をしたメスは土の中などに卵鞘(らんしょう)と呼ばれる泡に包まれた卵を産卵し、冬にかけて寿命を迎えた個体から見られなくなっていきます。
しかし、他のバッタの仲間と比べても長生きする種類で、12月などで寒くなってきてもオンブバッタは見られたりもします。
オンブバッタの育て方
飼育ケース
飼育ケースの大きさは飼う数によっても変わってきます。
数に合わせて飼育ケースの大きさを考えると良いですが、オンブバッタは割と強いバッタなのでフタさえ閉まればなんとかなります。
食べ物や餌(エサ)
バッタの仲間ではイネ科の植物などを好んで食べる種類が多いのですが、オンブバッタはヨモギなどのキク科の植物や葉っぱの広いものを好んで食べています。
飼育していく中でも好まれるエサなんかがわかると面白いと思っています。
食べるエサの一例
- ヨモギ
- オオバコ
- ハクサイ など
準備するもの
飼育ケースとエサだけあれば飼育可能なバッタですが、自然な状態に近づけて飼いたい場合は少し工夫してあげると喜ぶと思います。
- 飼育ケース
- マット(土)
- 足場
- 水分補給・霧吹き
マット(土)
自然の環境ではもちろん土がありますし、基本は地面に生えている葉っぱの上で生活するバッタです。
産卵も土の中に行いますし、土があると実は湿度維持の観点からも環境が良くなります。
外から取ってきたものでも構いませんが、その場合は天日干ししてから利用すると良いでしょう。
ただ、外から取ってきたものだと雑草が生えてきたり、他の虫が出てくることもあります。
心配な場合や面倒くさいときは100円ショップなどで販売されている土を買ってくるのがおすすめです。
畑用の野菜の土などが、土っぽい土で良いと思います。
腐葉土などはとくに好まれないとは思いますが、今回は産卵に使ったのは腐葉土だったりもするので、基本何でも大丈夫でしょう。
足場
エサが入っていれば一緒に足場にもなるので、エサが無くならないように気をつけてあげると良いでしょう。
他にも足場を作ってあげたい時には、木の枝などを立て掛けておくと良いと思います。
水分補給・霧吹き
水を飲んだりもするのでたまに霧吹きしてあげると良いと思います。
ちょっとやそっとでは死なない強さがありますが、乾燥するのは環境的にはよくないので気をつけてあげたいです。
基本はエサや野菜の水分で充分なので、バッタが小さいときに溺れるようなら霧吹きはしないほうが良いです。
注意点や飼育のポイントまとめ!
飼育は簡単だと思うのですが、大事なポイントに絞るとこんな感じです。
- 飼育ケースはフタが閉まれば良い
- 餌(エサ)は切らさない
- 乾燥させない
飼育と観察記録
ではここから飼育と観察の記録です!
11月末に卵を確認
オンブバッタの卵
前年の秋に飼育したオンブバッタが交尾をして産卵をしました。
冬の間はこのプラスチックのケースにラップを掛けて保管してしました。
3/30 オンブバッタの孵化(ふか)
前日に卵の存在を思い出して、土が乾燥気味だったので霧吹きをして目の届くところに置いておきました。
次の日の深夜に孵化(ふか)が始まったので、水分が孵化のトリガーになったのかもしれません。
室内で管理していたので、野外のものより少し早く孵ったのだと思います。
4/3 飼育ケースと食事
生まれた赤ちゃんは、普通の飼育ケースでは隙間から出てしまうのでアクリルケースに入れることにしました。
空気が心配に思うかもしれませんが特に問題ありません。
中にはいろんな植物を入れてみています。
新しい発見で、孵化(ふか)して数日は食事をとらないようです。
数日経つと、ハクサイに穴が空き始めました!
4/5 二回目のオンブバッタの孵化(ふか)
※次回の更新もお楽しみに!
まとめと感想
飼育が終わったら感想を書きます!
ムシミルでは、昆虫の「面白い」!を届けるために、昆虫のキレイな写真を豊富に使った図鑑ページや、昆虫に興味を持ってもらうきっかけになればと飼育の記事なども載せています。
これからもムシミルをよろしくお願いします!
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