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キバラケンモンってどんな虫?
白黒の羽模様がとても美しい昆虫です。
見つけるとちょっと嬉しい気持ちになりますね!
幼虫は広食性で色んな葉っぱにつきますが、サクラの木などでも見つかるので身近な昆虫です。
若い幼虫は集団生活をし、大きくなると散らばっていきます。
小さい時はドクガのような雰囲気を持っているので、名前のわからなかった時は少し警戒したのですが、キバラケンモンとわかったら無毒なので実際に触ってみたりもしました。
特に痒みや痛みが出ることはなかったですね。
ヤガ科
昆虫の分類でチョウ目に含まれる、一般的に「蛾(ガ)」と呼ばれる一群です。ヤガ科の昆虫たちは、なんと1000を超える種類が確認されているそうで、とても大きな分類群であることがわかります。
ヤガ科の「ウスベリケンモン亜科」に分類されています。
キバラケンモンの特徴
白黒の羽模様が特徴的で、斑紋には変化がありますが雰囲気が大きく変わることはありません。
羽の下、腹部から後ろの羽の一部は黄色をしているのも特徴的です。
触角はオスもメスも糸状をしています。
似た種類には「ニセキバラケンモン」や「キタキバラケンモン」がおり、大きさや後羽の模様などで見分けることができます。
生態や行動
食べ物や餌(エサ)は?
幼虫はサクラなどを中心に広食性です。
孵化(ふか)したばかりの幼虫は葉っぱの表面をかじるように食べますが、成長すると葉っぱをもりもり食べていきます。
成虫が自然下で何を食べているのかよくわかりませんが、ミカンをあげてみたらとても気に入ったようでずっと汁を吸っていました。
天敵や寄生バチ
天敵には鳥やイモムシを捕食する生き物がたくさんいますが、寄生されてしまうものもしばしば。
飼育観察していた幼虫たちの中で、他の幼虫たちよりも早い段階で繭を作り始めた一群がいました。
しかし、いち早く繭づくりをはじめた個体は、ほぼ寄生されていて寄生蜂と思われる繭がたくさん出てきていました。
その後、1~2週間遅れて繭を作った個体からは寄生バチが出てくることはありませんでした。
もしかしたら、宿主を操って早めに繭になる糸を吐かせているのかもしれません。
その中で繭になったら安全性が高まりますもんね。繭の中に繭を作るのですから。
発生と越冬
年に2~3回ほどの発生を繰り返し、冬は繭の中でサナギの状態で過ごすものや、幼虫で越冬するものもいるようです。
成長(幼虫・蛹・繭・成虫)
幼虫
毛虫の集団を見つけたので飼育して観察してみることに。
繭
ケースのフタの裏や、枯れ葉を土台に繭を作りました。
繭の中の蛹(サナギ)
サナギの様子が気になったので、繭を開けて中のサナギを観察してみました。
驚いたのはサナギの色。
オレンジ色や黒色で、別の種類みたいです。
もしかしたら、繭を作る場所に合わせてサナギ状態の色を変化させているのかもしれません。
羽化直前の蛹(サナギ)
明るい体色をしていたオレンジ色のサナギが羽化直前です。
透けた羽の模様がとても美しくてびっくりしました。
羽化
気がつけばケースの中に動くものが。
羽化する個体が出てきました。
羽を立てた状態でしっかりと伸ばし、羽ができあがるとたたみます。
成虫
生息地と分布
北海道から南西諸島まで全国的に広く見られます。
海外では台湾、朝鮮半島、ロシア南東部、中国からヒマラヤ山脈周辺での記録があるようです。
サクラなどで見つかるので都市部の公園などでも見つかります。