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縁起の良い昆虫まとめ!もっと昆虫が好きになる!

縁起の良い虫のバナー

昆虫は身近な生き物でもあるのですが、神秘的な一面や不思議な習性を持っています。

その姿を見た昔の人々は、見えない力や不思議な力を信じました。
そして、それは「縁起」「縁担ぎ」「ジンクス」「ラッキーアイテム」として浸透していったのです。

縁起とは?

縁起物と言えば、なんだか良さそうなものってイメージがありますが、縁起ってなんなんでしょうね?

縁起とはもともと仏教用語からきているそうですが、現在の使われ方としては「そこにあるモノ」や「起きたコト」には因縁(いんねん)があるということを表して使っています。

ですから「縁起が良い」ことがあると、その後にはきっと良いことがある
逆に「縁起が悪い」モノがあると、悪いことが起きそう
そんな意味合いになります。

ここでは「縁起が良い」と言われるもので、昆虫が関係しているものを紹介します!

幸せを運ぶ「テントウムシ」

ナナホシテントウ
ナナホシテントウ

テントウムシは世界各地で幸せの象徴とされています。土地が変わっても好かれている昆虫って凄いですね!
代表的なものでは「テントウムシが止まると幸せになれる」とか「病気の人にテントウムシが止まって飛び去ると病気を持っていってくれる(治る)」とかがあります。

日本でも幸せのシンボルとしてブローチなどに使われるモチーフではありますが、テントウムシとは「天道虫」と書きます。高いところに登ると太陽の方に向かって飛んでいく様子から名付けられました。太陽は昔から信仰の対象にもされてきましたので、そこに向かって飛んでいくテントウムシは自然と幸せの象徴になっていったのではないかと思います。
関係あるかはわかりませんが、昔から農業にとっての害虫であるアブラムシなどを食べてくれる益虫として人との関わりが深かったことも、テントウムシが好かれてきた要因になっているのではないかと思います。

英語では「Ladybug(レディバグ)」と呼ばれていますが、このレディとは聖母マリアのことを指しているという話もあります。好感度の高さが出てますね!

テントウムシのことをもっと知りたかったらこちらから。

日本で一番美しい甲虫「タマムシ」

ヤマトタマムシの写真
ヤマトタマムシ

美しい光沢を持った姿をしているタマムシは昔から縁起が良い昆虫として好かれています。その美しさは工芸品などにも使われるほどで、法隆寺の国宝「玉虫厨子(たまむしのずし)」にはたくさんのタマムシの羽が使われていたそうです。

タンスに入れておくと着物やお金が増えると言われたりしています。昔の着物は高価なものでしたしね。

タマムシの別名として「吉兆虫」という呼ばれ方もしています。吉兆とは「良いことが起こる前触れ」の意味があり、まさに縁起が良いという意味合いの言葉です。和食店の名前にも好んで使われたりしています。そんな名前をつけられるなんてまさに縁起の良い昆虫です。

タマムシのことをもっと知りたかったらこちらから。

太陽信仰から象徴とされる「フンコロガシ」

有名な昆虫学者のファーブルの研究で有名な昆虫です。動物のフンを転がして丸める習性を持っているフンチュウ(糞虫)なのですが、古代エジプトではその様子から太陽が回転するところが連想されたようです。太陽神信仰があり、太陽は「復活や再生」の象徴でしたので縁起の良さにつながっていったのでしょうね。

各種装飾品やアクセサリーなどにもモチーフとしてたくさん使われています。

信仰の対象にもなりファーブルが研究していたその虫の和名は「ヒジリタマオシコガネ」と呼ばれます。その昆虫は「Scarabaeus sacer(スカラベサクレ)」と呼ばれますが「聖なる甲虫」という意味があるそうです。なんて縁起の良い呼ばれ方なんでしょうね!

日本では、エジプトのフンコロガシみたいにフンを転がして丸める大きなものは生息していませんが、オオセンチコガネという美しいフンチュウの仲間が知られています。

オオセンチコガネ

フンを転がしたりはしませんが、自然の中でフンを分解する助けをしてくれる重要な昆虫でもあります!
なんか縁起が良い雰囲気ありますよね!

勝負事に強い「トンボ」

ショウジョウトンボの写真
ショウジョウトンボ

トンボは「勝ち虫」として勝負事に強い縁起が良いものとされてきました。
まっすぐと勢いよく前に前に進んでいく姿、他の昆虫を捕える力強さから武士たちの間で縁起物として流行ったようです。鎧兜にもトンボをデザインしたものが多く残されています。

装飾品などのモチーフとしては日本に限らず人気の昆虫ですが、英語では「Dragonfly(ドラゴンフライ)」と呼ばれています。
なんてカッコよいのでしょう!!
しかし、ドラゴンはカッコよいのだけど海外では邪悪なものの象徴としても捉えられています。日本のドラゴンのイメージとは少し違うかもしれませんね。ですから場所によってはトンボは不吉の象徴だったりもするわけです。

いろんなトンボが見られます。

金運アップの「コガネムシ」

漢字では「黄金虫」と書きます。光沢のある美しいコガネムシも多いおかげか金運の象徴として紹介されることの多い昆虫です。
「コガネムシ~は金持ちだ~」なんてフレーズを聞いたこともあるのではないでしょうか?なんの歌だったかな?
お金がついてくるイメージが強いことは間違いがないですね!

コガネムシの仲間「アオドウガネ」

コガネムシの仲間で、色んな所で見られる種類のアオドウガネです!

新たな縁起物「うかる合格お守り」

オオゴマダラの写真
お守りのモチーフとなったオオゴマダラ

なんと合格祈願のお守りが販売されています。

販売しているのは「石川県ふれあい昆虫館」。
飼育しているオオゴマダラが羽化(うか)するのを、試験に「受かる」とかけたお守りです!
外にはオオゴマダラの成虫がデザインされ、中には羽化した後の殻が入っているようです。

中に入っているのはオオゴマダラの蛹(サナギ)の抜け殻ですが、オオゴマダラのサナギは金ピカなことでも有名な昆虫です。金ピカですよ!縁起が良いですよね。

通信販売もしていますが、対応している支払いは銀行振込のみ。
販売のページはこちら

このように新しい縁起を担ぐものも出てきて面白いですね!

モチーフになっているオオゴマダラのことがもっと知りたかったらこちらから

縁起の良い他の昆虫

他にもたくさん縁起の良い虫はいます。

  • ムカデ(足が多いところから客足が増えるとか)
  • 朝のクモは縁起が良いとか(夜は悪い)
  • カイコは衣食住の「衣」の部分で重要視され神話にも登場します。
  • ゴキブリも国によっては縁起が良いとされています。
  • サルハムシは縁起物の「くくり猿」からきています。

まとめ

縁起の良い昆虫がたくさんいました!
身近に見られるものも多いのでみなさんも探してみてください。
その由来を知ると、人が昆虫に対して、身近な命に対して、どんな想いを持って接していたのかがちょっとわかるような気がします。
足元にはいろんな命が育まれています!ぜひ立ち止まって足元の世界をのぞき込んでみましょう。

それでは、むしむしワクワク楽しんでいきましょう!

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この記事を書いた人

村松佳優

昆虫写真家/講師/カメラマン/ムシミルの運営。

昆虫の面白い!魅力たっぷり!
たくさんの人にそれを知ってもらうことで、人も昆虫もよりよい未来を築いていけたらと思ってこのサイト「ムシミル」を運営しています。

カメラマンやイベント運営などに携わりながら、大学の講師やクリエイターの支援活動もし、次代の育成にも力を入れて活動しています!
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