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ツツジコブハムシってどんな虫?
成虫が虫の糞(ふん)に擬態していると言われ、幼虫もフンで作ったミノを背負って生活する面白いハムシの仲間です。
ツツジのある場所を見かけてはツツジコブハムシがいないかと探していたのですが、なぜか数年も見つからない・・・
なぜこんなに出会えないのかと思っていたのに、写真の指導に行っている大学の植え込みでたくさん見つかるという。
めっちゃ身近にいたというオチですね。
フンと共に生きている生態がとても興味深かったので、じっくり観察することができて良かったです。
ハムシ科
コウチュウ目に含まれるグループで、日本では800種類ほどが知られています。植物食で日中に活動するものが多く、漢字では「葉虫」と書きます。農作物に被害を与える害虫も少なくないのですが、色んな模様や形態的特徴を持ったハムシがいるので人気も高いです。
ツツジコブハムシの特徴
全体にゴツゴツした印象の体系で、遠目に見るとシャクトリムシなどのイモムシのフンにそっくりです。
近似種のムシクソハムシよりも体の幅が広い印象です。
幼虫はフンで作った殻に入って生活をしています。
成虫




幼虫



生態(食べ物やエサ)
食べ物や餌(エサ)
ツツジ類の葉っぱや枝についているのをよく見かける昆虫です。
サツキなどの葉っぱも食べます。
糞(フン)で身を守る
卵はフンで覆って守られています。
孵化(ふか)すると、そのフンを使って家を作って、ヤドカリのように背負って身を守っています。
体の成長に合わせて、お家のサイズも少しずつ大きく増築していきます。
サナギになるときも、このフンの殻に入ったまま蛹化(ようか)することで外敵から身を守ります。
成虫はフンを身につけることはないですが、その姿自体がまるでイモムシのフンのようです。
卵の時から成虫になっても、フンを使って身を守る昆虫です。

左から小さいミノ、中くらいのミノ、大きなミノです。
中にはどんな幼虫が入っているのでしょう?


成長の様子
ツツジコブハムシは「コブハムシ亜科」に含まれるハムシで、この仲間は卵をフンで包む習性を持っています。
生まれた幼虫は、卵が入っていたフンでミノのような家を作り、その中に入ったまま成長していきます。
サナギになる時は、フンの家を枝に固着させてその中で蛹化(ようか)します。
産卵、糞に包まれた卵
卵の周りをフンで包んで守ります。
お尻で作っているとは思えないような見事な構造物に仕上げます。
しかし、最初はただのゴミのようにしか見えないのです。
写真も撮って確認すると、独特な形状をしているので卵だとわかってきます。




しかし、少し割れてしまったものを見ると、中から卵が出てきました。
黄色い楕円形の形状をしています。
孵化(ふか)
とても小さいので、いつも目を凝らして観察していたのですが、少し違和感のある卵を見つけたので撮ってみました。
なんと、フンの殻に穴を開けて顔をのぞかせている幼虫の姿を捉えることに成功しました!

幼虫
卵の時から周りを固めて守ってくれていたフンをそのまま使い、ミノ型の殻のお家を作って生活します。
成長に合わせて増築していき、枝にじっとしていると見つけにくいです。







蛹(サナギ)と羽化(ウカ)
殻を枝などにピタッとくっつけて、その中でサナギになります。
ある時から、いつも同じ場所にいるなと感じたら、その中で蛹になっているかもしれません。


想像以上に殻が硬い!!
頑張って開けると、黄色いサナギを観察することができました。


本来は、殻の中で羽化した成虫は、先っちょを切り取るような形で外に出てくるようです。
成虫
羽化したての状態は薄い褐色のイメージでしたが、時間が立つと赤褐色のマダラでゴツゴツした感じの成虫になります。

分布や生息環境
日本では本州や九州で見ることができ、ツツジ類が咲いているような場所で見ることができます。
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ハムシ科まとめ 葉虫図鑑
