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シオカラトンボってどんな虫?
オスが成熟すると白い粉を吹いているのが印象的なトンボの仲間です。
全国的に見られる昆虫で、身近にもたくさん見られるのではないでしょうか?
オスとメスでは色が違うのですが、子供の頃は違うトンボがくっついているのかと思って不思議になったものです。
トンボ科
昆虫の分類にトンボ目があります。その中にトンボ科が含まれていてシオカラトンボはその一種になります。ハッチョウトンボやアキアカネなどはトンボ科の昆虫ですね!ちなみに、トンボ目にはヤンマ科やイトトンボ科などがあり、それぞれにいろんな特徴があります。
シオカラトンボの特徴
名前の由来のシオカラ(塩辛)
成熟したオスの体は白い粉で覆われるのですが、その白い粉を「塩」に見立ててシオカラトンボと名付けられたのが由来になっています。
グリーンの美しい複眼
オスメスと共に複眼の色が美しいグリーンをしています。
似ている種類のオオシオカラトンボの複眼は黒色をしているので大きな違いになります。
羽は透明
シオカラトンボに似た種類は何種類かいるのですが、シオカラトンボの羽は透明です。
オオシオカラトンボは羽の付け根に黒い模様が入り、シオヤトンボではオレンジ色の模様が入ります。
シオカラトンボ(オス)
オオシオカラトンボ(オス)
幼虫(ヤゴ)
オスとメスの違い
オスは羽化したての時には、メスと似たような黄色い体色をしています。
成熟すると全体に白い粉を吹いてシオカラトンボらしい姿になります。
メスは成熟しても黄色っぽい色をしており「ムギワラトンボ」と呼ばれたりします。
麦わら色の雰囲気はオスとは全く違ったものになっていて、パッと見は違う種類のようです。
メスは成熟すると腹部の特に下側が白っぽく粉を吹きます。
オス♂
メス♀
飼育や成長
メスは単独で、お腹の先で水をかくように飛ばすのですが、そのときに卵も一緒にばらまくようです。
孵化(ふか)した幼虫は2~8ヶ月かけて成長します。
食べ物は水中にいる、水生生物を捕食します。
飼育する場合は、釣具屋でも手に入る赤虫(アカムシ)などが便利ですが、他にもミズムシや小さめのミミズなども食べてくれます。
産卵
水中に産卵される卵ですが、観察に捕まえたメス♀の腹部から卵が出てきました。
捕まえた近くの水場にミジンコのようなものがいたので、そこの水を汲んできた中に入れておきました。
孵化(ふか)と幼虫(ヤゴ)
いつの間にか孵化(ふか)していました。
とても小さいので目を凝らさないとよくわからないですが、ミジンコとは違った幼虫が観察できました。
野外でヤゴの採集
池の泥をすくってみたらシオカラトンボのヤゴが入っていました。
最初はヤゴがいるかどうかさっぱりわかりませんが、動いてくれたらわかるので触ってみます。
普段は泥に隠れるように生活しています。
成虫
羽化して成虫になります。
成熟すると交尾をしてまた産卵します。
分布や生息環境
北海道から沖縄まで全国的に見られる昆虫で、世界ではヨーロッパ~中央アジアでも見ることができます。
池や沼、湿地などの止水域に広く分布しています。