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クロオビフユナミシャクってどんな虫?
フユシャクの仲間の中では早めに姿を表し、11月頃~見かける昆虫です。
メスの羽は短くなって飛ぶことはできませんが、フユシャクの仲間の中では大きいですね。
メスを見つけた時はコロッと落ちてしまい、死んでしまっているのかと思いましたが、起き上がって歩きだすと想像よりも足が速くてびっくりしました。
観察してみると、脚は結構長い美脚でした。
シャクガ科
昆虫の分類でチョウ目に含まれる、一般的に「蛾(ガ)」と呼ばれるもののなかの一群にシャクガ科はあります。クロオビフユナミシャクはその中の一種です。シャクガの幼虫はまるで尺(しゃく)を取るように移動することが知られており、尺取虫(しゃくとりむし)の愛称で親しまれています。
その中でも、冬にだけ姿を現す本種は「フユシャク」の仲間として親しまれています。
クロオビフユナミシャクの特徴
前翅の地色は灰褐色で、黒っぽい横線が入っています。
色彩や斑紋には変化があります。
メスの羽は短いですが、フユシャクの仲間の中では大きな羽を持っています。
姿を知らないと、羽の千切れた可愛そうな個体に見えてしまうかも知れません。
メス♀
短い羽とが特徴的。
脚(アシ)は長く飛べない代わりに、歩くのは得意。
羽の模様には変化がある。
オス♂
灰褐色で横線の入った模様。
ナミシャク亜科なので、波模様っぽい。
触角はメスよりクシ歯っぽい感じです。
生態
幼虫の食べ物や餌(エサ)
幼虫はクヌギやコナラなどのブナ科植物を中心に、いろんな葉っぱを食べることができる広食性のシャクトリムシです。
成虫の食事
フユシャクの仲間は食事をしないものもいるようですが、観察しているとクロオビフユナミシャクはオスもメスも短めの口吻(こうふん)を持っています。
観察している間は昆虫ゼリーなどもあげていたので、自然下では樹液などを吸っているのかもしれません。
しかし、口吻は短く食べるのも下手な印象なので、吸水で水分補給する程度かもしれないですね。
メスは飛べない
フユシャクの仲間の面白いポイントとして、メスの羽は無くなっているか、あっても短くて飛べないというのがあります。
クロオビフユナミシャクのメスも羽はオスと比べるとかなり小さい羽しか持っておらず、飛ぶことはできません。
しかし、観察をしていると羽をパタパタと羽ばたかせる様子も観察できました。
端っこまで行くと、羽ばたきながらジャンプする様子も見れました。
飛んでいた時代のことを覚えているのか、羽ばたきながら落下することで飛距離を稼いでいるのか?
イモムシは広食性なので、いろんな木に移れるのは有利に働くのかも知れません。
成長
卵
緑色で、薬のカプセルのような形をした卵を樹皮の間などに産み付けます。
幼虫
若齢の頃には模様がありませんが、成長すると縦筋模様が目立つイモムシになります。
成虫
オスは暗色の横線が波状に入った羽を持ち、メスは短翅で横線の入った模様が入ります。
フユシャクの仲間のメスは羽を持たないものも多いので、短翅といっても羽は大きい部類です。
産卵
分布や生息環境
北海道から九州まで広く見ることができます。
平地から山地まで普通に見られ、都市部の公園などでも見ることができたりします。