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ウスバフユシャクってどんな虫?
1月頃の寒い時期に見かける昆虫です。
メスの羽は無翅(むし)で飛ぶことはできません。
光にやってくることもあるので、冬の寒い時期でも玄関で見かけることのある昆虫です。
シャクガ科
昆虫の分類でチョウ目に含まれる、一般的に「蛾(ガ)」と呼ばれる中の一群にシャクガ科はあります。ウスバフユシャクはその中の一種です。シャクガの幼虫はまるで尺(しゃく)を取るように移動することが知られており、尺取虫(しゃくとりむし)の愛称で親しまれています。
その中でも、冬にだけ姿を現す本種は「フユシャク」の仲間として親しまれています。
ウスバフユシャクの特徴
フユシャク亜科に属していて、前翅(ぜんし)と後翅(こうし)に黒い点模様が入っているのが特徴的です。
似た種類も何種類かいるので注意が必要ですが、羽の外側の線状の模様で見分けたりします。
メスは羽を持っておらず、単独で見分けるのは難しいです。
オス♂
羽に入った黒い点模様が特徴的です。
メス♀
羽を持っておらず、1cm程度の大きさです。
体色は明るく、おしりにかけてほっそりとしていきます。
クロテンフユシャクやホソウスバフユシャクとの違い
似た種類が何種類かおり、羽の外の線状の模様がひとつの区別点になります。
ウスバフユシャクは角張らずに、直線上の模様を持っています。
クロテンフユシャクは模様の外側が角ばって曲がります。
ホソウスバフユシャクは、翅脈(しみゃく)のところで波打ったような櫛歯状の模様になります。
変化のある色々な模様(オス)
オスの羽の模様には変化があります。
生態の一部を紹介
幼虫の食べ物や餌(エサ)
幼虫はクヌギやコナラなどのブナ科植物や、サクラやリンゴなどのバラ科植物を中心に、いろんな葉っぱを食べることができる広食性のシャクトリムシです。
幼虫は、モモやナシでもよく見られたようで「モモノミドリシャクトリ」や「ナシノミドリシャクトリ」などの名前でも呼ばれているようです。
寄生されることも
イモムシと寄生する昆虫は切っても切れない関係ですが、一度飼育を試みたときに全滅の憂き目にあいました・・・。
寄生された幼虫には黒い斑点のような模様が目立ち、気がつくとハエの一種が出てきていました。
全滅してしまいましたが、寄生されてい様子なども記した記事はこちらです。
交尾活動
日が暮れた頃、割と早い時間帯から交尾が始まります。
メスがコーリングと呼ばれる、オスをフェロモンで呼ぶ行動をします。
このフェロモンによってきたオスは激しく羽ばたきながらメスに接近して、うまく行けば交尾できます。
条件が良ければ、かなり遅い時間までみられるようです。
成長(幼虫・成虫のオスとメス・交尾)
産卵と卵
交尾をしたメスは小卵塊を数か所に産み付けます。
春になると孵化(ふか)します。
幼虫
全体的に緑色をしたシャクトリムシです。
緑色の幼虫の他にも「黒褐色型」や「赤褐色型」の幼虫もいるようです。
成虫
オスには羽がありますが、メスは羽を持ちません。
オスの羽の模様には変化があります。
オス♂
メス♀
オスとメスの交尾
分布や生息環境
北海道から九州の平地から丘陵地まで広く見ることができます。
平地から丘陵地まで見ることができたりします。