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ツマベニチョウってどんな蝶?
オスもメスも前羽の先がオレンジ色になっているのが特徴的なシロチョウです。
紅色というよりはオレンジ色ですがご愛嬌で。
そして、ツマとは「端っこ/先の方」を指していてツマベニの名前の由来になっています。
日本や世界で見られるシロチョウの仲間の中でも最大級の種になります。
前翅長で50mmほどあるのですが、羽を広げた大きさは100mmほどにもなります。
モンシロチョウの前翅長は25mm程なので、その大きさがわかるのではないでしょうか。
シロチョウ科の昆虫
チョウの分類の中に「シロチョウ科」があります。ツマベニチョウはシロチョウ科に含まれる一種です。シロチョウの仲間には他にモンシロチョウやツマキチョウなどがいます。
ツマベニチョウの特徴
オスとメスの違い
オスは羽の先が赤みの強いオレンジ色をしています。メスは同じ部分が黄みの強いオレンジをしています。
そして、一番違う部分ですがメスの羽は全体的に黒い紋が発達しています。オレンジ色のところに入る模様も強く出ますし、後ろ羽にもオスでは弱い黒斑が強く出るのでオスとメスでは雰囲気が異なります。
羽を閉じたときの裏側の雲状班もメスのほうが強く出てくるので、オスのほうが明るい印象の羽です。
オス♂
メス♀
生態や成長
一年中成虫が見られる
普通は蛹(さなぎ)で越冬しますが、八重山諸島では一年中成虫が見られます。南の方はあったかいですからね!
ヘビのような幼虫
鮮やかなオレンジのラインと青い紋を備える大きなイモムシです。特徴的なイモムシですが、特に威嚇したポーズは有名です。前半身を持ち上げ胸部を膨らませるのですが、その姿がまるで蛇みたいに見えるのです。大型のイモムシとはいえ、蛇と比べるとかなり小さいようにも思えますが、その姿に進化してきたということは外敵から襲われにくくなっているのだと思います。
ちなみに幼虫はギョボクというフウチョウソウ科の植物の葉っぱなどを食べるのですが、日本では鹿児島より南で南西諸島を中心に自生しているようです。ツマベニチョウの生息域と一致していますね。日本以外では東南アジアやアフリカなど熱帯の地域に広く分布している植物のようです。
蛹(さなぎ)
写真は羽化(うか)の近づいたサナギの写真です。
サナギの体に糸をかけた帯蛹型(たいようがた)です。
生息地や分布など
九州の南部と南西諸島に生息しています。林の方から、人家の周りまで広く見ることもできます。
日中は高い位置を飛翔する様子がよく見られますが、ハイビスカスやアザミ類で吸ミツするために降りて来ることも多いです。河川や海岸付近では吸水行動も見られます。