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ツマキチョウとの思い出コラム
たまに見かける蝶なのだけれど、ある日モンシロチョウを観察しようと思って何匹か網で捕まえてみた。その時の一匹がまさかのツマキチョウだったのだ。模様や形も変わっているし一回りは小さいので、いくら飛んでいるからって間違えるわけ無いと思っていたのにちょっとショックだった。しかし、普段は撮影をするだけなので手元で観察する良い機会だと思って、複雑な雲状の模様をじっくりと観察させてもらったのを覚えている。
暖かい日当たりの良い時間にはよく飛んでいるが、ちょっと曇って涼しくなると途端に見なくなる。晴れた天気が好きなようだった。
ツマキチョウってどんな蝶?
名前の由来
ツマキチョウは漢字で書くと「褄黄蝶」になる。「褄」というのは端っこの意味なので、羽の端っこが黄色いチョウチョでツマキチョウとなったのが名前の由来ですね!
かぎ状の羽を持っている
なんといっても特徴的なのが、前翅(ぜんし)の形。ぐいっと曲がって「かぎ状」の羽を持っているのです。シロチョウの仲間では、モンシロチョウなどが有名ですが羽は丸っこいものが多いのです。その中ではかなり特徴的な形ですね!
ツマキチョウの雲状模様
羽を閉じた時に見える裏側のですが、雲状の複雑な模様をしています。緑がかったデザインですが、よく見ると黒色の鱗粉(りんぷん)の中に黄色い鱗粉が混じっているからだとわかります。迷彩のような雲状模様は、自然の中に溶け込むような効果もあるのかもしれません。

オスとメスの大きな違い
オスとメスで大きな違いがあります。それは羽の表のかぎ状のところに黄色い模様があるか無いかです。
オスには名前の由来にもなった黄色い模様が入りますが、メスは白っぽいだけで黄色い模様が入っていません。
羽を閉じたときにも、オスの場合は黄色い模様がちょっと透けて見えています。
ツマキチョウの食べ物(エサ)は?
ツマキチョウの成虫はタンポポやムラサキケマンなど各種の花を訪れてミツを吸います。
幼虫がのエサはアブラナ科の植物をよく好んで、コマツナなども好んで食べます。ですので畑などでもよく見ることのできるチョウチョです。
他のシロチョウの仲間との見分け方
かぎ状にとがった前翅と、羽の裏の雲上模様が一番の特徴になります。
飛び方も、低いところを羽を小刻みに動かしながら直線的に飛翔する特徴的な飛び方をします。
慣れると見分けられるかもしれませんね!
卵
モンシロチョウの卵にも似ている縦長の卵で、産みたては白っぽいですが時間が経つとオレンジ色に変わっていきます。
幼虫
幼虫もモンシロチョウに似ています。アオムシです。
蛹(サナギ)
サナギは特徴的な形をしていて、尖ったトゲのようなデザインになっています。まるでブーメランのような形で一見してサナギだとは思えないようなデザインをしています。
越冬と寿命
夏には蛹になるので、成虫の姿は見なくなる。蛹のまま冬を越して次の春に羽化をする。
しかし、春になっても出てこずに、2年・3年越しに羽化してくるものも確認されているようだ。
分布と生息域
北海道、本州、四国、九州と日本では広い範囲で見られるチョウチョになります。
林縁や農地、公園や河川など平地から低山地の草地などでよく見られます。
私はモンシロチョウなどに混じって畑付近でよく観察していました。