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カノコガってどんな虫?
ヒトリガ科
チョウ目の中で一般に蛾(ガ)と呼ばれる仲間ですが、その中の分類で更に細かく「ヒトリガ科」に含まれる一種になります。ちなみにこの「ヒトリ」は「一人」ではなく「火取」と書きます。これは、ヒトリガの仲間の多くに走光性があり、光に集まってくる習性から名付けられました。
カノコとは?
カノコとは「鹿の子」と書きます。これは、子鹿の背中にあるような模様を鹿の子柄などと呼んでいたことからきています。カノコガの斑点が散在するようなこの模様がをした羽のデザインから連想されたのが名前の由来となっています。
羽の模様と黄色い帯
黒い羽に、半透明の白い紋が入ったデザインをしています。カノコガを上から見たときに、黄色い二本の帯が入っているのも特徴的です。そして、横から見ると黄色の斑紋がたくさん並んでいます。
ムラマツカノコと何が違う?
一見同じカノコガのようにも見えますが「ムラマツカノコ」には首の後ろに黄色い帯が入っています。羽の模様もムラマツカノコの方が複雑でよく見るとちょっと違うのです。
ムラマツカノコは日本では与那国島や石垣島などの一部の地域でしか確認されておらず、カノコガは南西諸島では確認されていないので、見つけた場所がわかっていればそれだけでも間違えることはないでしょう。他にも「キハダカノコ」という種類もいるのですが、カノコガは上から見た時に二本の黄色い帯が入るのに対して、キハダはお腹が全体的に黄色と黒の縞模様になっていることから違いがわかります。
参考:ムラマツカノコ
ハチに似ているか?
フタオビドロバチとかキオビツチバチとかに擬態しているとされています。蛾の仲間でも蜂に擬態している種類は多数確認されていますが、これは毒のあるハチに自分を似せることで、捕食者を警戒させて身を守っています。と言われていますが、このカノコガは蜂っぽく見えるでしょうかね?
しかし、そう考えると羽の模様が透けているのも、少しでも羽の部分を蜂に似せようとして進化してきたのかもしれませんね。
ハンコチョウと呼ばれる
蛾の仲間なので、その羽には他の種類と同じように鱗粉がたくさんついています。これを手で触ると、まるでハンコを押したように羽の鱗粉が鹿の子模様になってつくところから「ハンコチョウ」と呼ばれることもあるそうです。