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ヤマトシジミってどんな蝶?
シジミチョウ科
田舎から都会の公園まで生息環境がとても広いのであちこちで見かけることのできる身近なチョウチョの一種です。羽の形が貝類の蜆(しじみ)に似ているからシジミチョウと名付けられました。しじみの味噌汁はとても美味しいので、飲むことがあったらシジミチョウの羽と似ているか確かめてみましょう。
身近に見られる普通種
幼虫の食草であるカタバミはとても強い野草です。都会のコンクリートの裂け目からでも生えてくるので、それに合わせてヤマトシジミは都会でも生息できるのですね。
ヤマトシジミは世界でも広く繁栄している種類だと思いますが、食草となる植物の強さも深く関わってくるので面白いですね。幼虫の食べ物が珍しいものだったりすると、その食草がなんらかの影響で少なくなると、絶滅の恐れもでてきます。実際に食草が激減して絶滅の危機に陥っている種類はとても多いのです。
割とどこでも見られるので普通種であるのは間違いないのですが、ヤマトシジミは低い位置をよく飛んでいます。止まる葉っぱなども人の目の高さから考えると低い位置に止まることが多いので、余計に目につきやすく身近な印象が強いのでしょうね!
オスとメスの違い
羽を閉じたときの印象はオスもメスもよく似ています。
しかし、羽を広げたときの模様に違いがあります。オスは全体的に白身を帯びたブルーの色彩をしているのですが、メスは青色の部分が少なく黒っぽい印象になります。
メスの高温期型と低温期型
さらにメスは高温期型と低温期型でちょっと様子が違います。一般的な印象としては少し青みの入った低温期型の雰囲気が近いと思いますが、高温期型では青みがすくなって黒っぽい印象が強くなります。
幼虫は敏感
幼虫はカタバミの裏などについてじっとしていたりします。探そうと思ってカタバミをつまんだときなど、危険を感じると落下して逃げてしまうので注意が必要です。
生息地や分布
北海道をのぞいて、本州から南西諸島まで見ることのできるシジミチョウです。とても身近な蝶なので北海道で見られないのには驚きました。ただ、本州でもどこでも見られるわけではなく北海道に近いところでは見られません。しかし、その分布は年々北上しているとの報告があるので、そのうち北海道でも見られるようになるかもしれませんね。
見られる場所としては、草原から農地や河川など広い範囲で見ることができます。比較的人の手が入ったところで見ることが多いように思いますが、食草となるカタバミさえあればどこでも見ることができます。