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オオミノガってどんな虫?
幼虫が蓑(みの)を作って生活する「ミノムシ」の代表種とも言える昆虫です。
色んなミノムシを見たことある人はたくさんいるでしょうが、その成虫の姿を知っている人は少ないかも知れません。
見たことがないと、成虫に出会ってもミノムシの仲間だと気づけないですしね。
日本で一番大きなミノムシで、葉っぱや枝を使って紡錘形(ぼうすいがた)のミノを作って生活しています。
ミノガ科
昆虫の分類でチョウ目に含まれる、一般的に「蛾(ガ)」と呼ばれる中の一群です。ミノガ科の昆虫は、幼虫時代にミノを作って生活しているのが特徴的で、幼虫は蓑虫(ミノムシ)と呼ばれています。
オオミノガの特徴
オオミノガの蓑(みの)
「ミノムシ」の愛称で知られる蛾の仲間です。
日本産ミノガの仲間で最大の種類で、幼虫時代は葉や枝を口から吐く糸で綴り合せた、紡錘形(ぼうすいがた)のミノを作って生活をします。
葉っぱを使ったり枝を使ったりと、ミノにも色んな形がありますが、基本は中央が膨らむようなミノになります。
大きなものでミノのサイズは50mmほどにもなります。
与那国島で見つかるオオミノガのミのはとても大きく80mmを超えるものもあるようです。
幼虫
中に隠れている幼虫にはどんな特徴があるでしょう?
オス♂
成虫のオスはふわふわとした印象で、しっかりと羽があって飛ぶことができます。
メスには羽がない
オスは羽を持った成虫になるが、メスは羽を持たず成虫になってもまんまるなイモムシ型のままです。
イモムシ型と言いましたが、実際には羽も脚(あし)もないのでウジ型と言ったほうが正確ですね。
メスの入ったミノにオスがやってきて交尾をして子孫を残していきます。
色々な蓑(みの)
葉っぱや小枝を使った色んな形のミノを作ります。
中央部がふくらむような紡錘形(ぼうすいがた)のミノです。
ミノムシと糸
ミノムシにとって糸はとても重要です。
ミノを作るのにも利用しますし、越冬中は糸でぶらさがるのでまさに命綱です。
ある日その様子を観察することができました。
気に入った場所を見つけたミノムシが、しっかりと糸をかけていきます。
リング状に何周も糸を欠けることで冬の間でも落ちることはありません。
生態
幼虫で越冬
オオミノガは一年サイクルで成長していきます。
冬は老熟した幼虫の状態で過ごし、春になると摂食活動などは行わず、ミノの中でそのままサナギになります。
激減
1990年頃に中国などに生息するオオミノガヤドリバエ Nealsomyia rufellaが侵入してきました。オオミノガに寄生する昆虫で一時は数を激減させてしまったのですが、近年は回復傾向にあるようです。今度は、ヤドリバエに寄生するハチの仲間が増えた影響が考えられています。
人の手が簡単に及ばないところで色んな事が起きていてびっくりします。
参考:オオミノガヤドリバエ
成長(幼虫・蛹・羽化・成虫)
幼虫
日本のミノガの中では一番大きく成長します。
葉っぱや小枝使ったミノを作ってぶら下がっています。
蛹(サナギ)
羽化
成虫
オスは羽を持っていてふわふわです。
メスは羽を持たず、サナギの前端部を破っただけで羽化を終えます。
交尾をしたメスは、サナギ殻の奥に卵を産み付けていきます。
分布や生息環境
本州から南西諸島まで広く見られます。
南西諸島のオオミノガのミノは本州のものよりかなり大きいものを作るようです。
でも、出てくる成虫の大きさはそんなに変わらないんだそうです。